チーモの「春苗の準備とトマトの片付け」

冬休みの当番にも大分慣れてきたこの日、

今日はチーモが農場当番を手伝いに来ました。

いつも通り農場本部前での全体点呼のあと、各部門に分かれます。

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チーモ「今日は昨日より人が増えているなぁ。先生おはようございます。今日はどんな作業をする予定ですか?」

野菜の先生「今日は販売用の春苗の準備をします。まずは水洗いから。今日は寒いから冷たいですよ。」

チーモ「なにを水洗いするのかなぁ…?では、今日は野菜部門を見に行ってみよう♪」

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今日は野菜部門に四人の一、二年生が当番実習に来ています。

野菜の管理室前で挨拶をすると、野菜の先生から今日の作業の説明があります。

先生「今日は春苗の販売の時に使うトレ-の水洗いをします。ちょっと冷たい作業ですが、頑張りましょう。それでは、管理室の中のゴム手袋を取って、管理室の裏に集合して下さい。」

農経生「はい。」

一年生は管理室でゴム手袋を受け取り、そのあと管理室の裏側に回りました。管理室の裏側には野菜部門で使用する資材置き場になっていて、その中央にたくさんの黒いトレーが置かれています。

先生「それでは、今日はここにある黒いトレーを水で洗ってもらいます。ここにある24穴のトレーをハウスの横の所に運んで下さい。」

農経生「はい。」

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みんなでトレイを運び、ハウスの横の水道があるところに運んだトレイを重ねました。

先生「それでは、トレイに付いている落ち葉や泥を軽く落としてここに置いて、…こんな感じで水洗いします。割れているものは廃棄するので、よけて置いて下さい。」

チーモ「うわぁ、冷たそう…」

先生「水洗いできたトレーは12枚ずつまとめて、ビニールハウスに運んで下さいね。」

     

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トレーはきれいなものもあれば泥だらけのものもあり、また、枯葉がたくさん付いているものもありました。一年生はそれらをささっと水洗いして、ビニールハウスに運んでいきます。休憩をはさんで作業を続け、約1000枚のトレイを洗いました。

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残った時間で、ハウス内の枯れたトマトの片付けを行います。トマトの木にはまだトマトがいくつかなっていますが、それらは売り物にはなりません。先生はトマトの枝を切り、片付けをしながらいろんなことを教えてくれます。

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先生「みんな、トマトを収穫するときの色はどのぐらいの赤さかなぁ。」

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農経生「これぐらいですか?」

先生「そうですね。でも、出荷するときはこれでも赤すぎるくらいです。」

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先生「とくに夏場はこのぐらいの状態で出荷すると、店頭に並ぶ頃には食べ頃の色になります。」

チーモ「ふーん、そんなに黄色っぽいのを取るなんて知らなかったなぁ。」

先生「まぁ、トマトの甘さはもうこの段階では決まっているからね。ちなみに、どんなトマトが甘くなるかわかりますか?」

農経生「え?こんな緑色のトマトでも、味が分かるの?」

先生「ヘタの周りの色が濃い…こんなトマトが甘くなる、という話です。まぁ、これはあくまでも『…という話』ですけどね。」

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農経生「たしかに、よく見るとトマトのヘタの周りの色の濃さには少しずつ違いがありますね。」

先生「ところで、あそこの換気扇の中にもひとつトマトが入っているので、あれものけてね。」

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チーモ「…あれ?あんな所にどうやってトマトを入れたの?換気扇の排気口はスリット状になっているけど、狭くてトマトは入らないなぁ。」

先生「実はこういうことです。…◎◎君、そのトマトを上まで伸ばしてみて下さい。」

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農経生「なるほど、そういうことか。あそこで花が咲いて、実がなって、でも赤くなる前に支えがのいて、実だけが換気扇の中に残ったんですね。」

チーモ「しかも、ファンが回っても当たらないという絶妙の大きさ!」

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作業が終わると、管理室前で挨拶をして実習が終わります。

チーモは「今日のは単純作業だったけど、下級生は下級生なりに出来ることをやる、というのも広い農場では必要なんだな」と思いました。