ミーモの「キタアカリの植え付け」

立春を過ぎ、春は名のみの風の寒さが身にしみるある月曜日、

今日は1年生が実習の授業で春植えのジャガイモを植えるようなので、

ミーモは野菜部門を見に行ってみることにしました。

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野菜部門には1年生が8名来ています。

挨拶をしたあと、野菜の管理室の前にあるハウスの中で、

今日の作業の説明がありました。

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先生「今日はジャガイモを植えます。みんな手帳を出して下さい。

ところで、ジャガイモは何科の植物かなぁ?」

1年生「…」

先生「ジャガイモはナス科の野菜です。トマトやナスの仲間なんですね。」

ミーモ「…なんでトマトの仲間なのかなぁ?」

先生「ジャガイモの花ってトマトの花やナスの花に似ていますよね?野菜は花の形で分類されるから、ジャガイモはナス科なんです。」

ミーモ「なるほど!」

先生「みんなジャガイモ、ジャガイモって言うけど、この箱を見て下さい。「ばれいしょ」って書いていますよね。それで、今日植える品種は「キタアカリ」です。キタアカリが品種名だから覚えておくように。」

1年生は話を聞きながらメモを取っています。

先生「目の前にあるイモをちょっと見て下さい。半分に切っていますね。もう芽が出始めているのもあります。この芽の部分を上にして植えます。ジャガイモには春植えと秋植えがあって、この時期に植えるのは「春植え」です。春は気温が低いので半分に切っても切り口が腐らないので半分に切って植えます。秋は気温が高く、イモを切ると切り口が腐る危険があるので切らずに植えます。」

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ミーモ「ふーん、知らなかったなぁ。」

先生「農経では「キタアカリ」と「メークイン」を植えます。キタアカリはイモの全体から芽が出ますが、メークインはイモの表面の半分からしか芽が出ないので、切り方には注意が必要です。」

ミーモ「イモの種類によって、そんな違いがあるなんて…たしかに、芽が出ない半分を土に植えても、ジャガイモは取れないよなぁ。」

先生「それではイモを一人一箱ずつ持って、ヤギ小屋の横の畑に集合して下さい。」

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みんなはイモを持って畑に向かいました。畑には、黒マルチが張られた畝がたくさん出来ています。

先生「それでは、植え方を説明するのでよく聞いて下さい。まず、この棒をマルチの横に置いて…棒に赤い印が30センチ間隔がついているので、これに合わせて穴を開けます。」

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先生「次に、指が全部入る深さの穴を掘ってイモを置いて、…まわりの土をかけます。こんな感じで,イモの上に土が5~10センチかかるぐらいで植えて下さい。」

ミーモ「30センチ間隔でこの長さの畝だと…けっこうたくさん植えられますね。」

先生「そうですね。それでは、男子が2人組でマルチに穴を開けて行って下さい。女子はみんなバケツにイモ入れて、その穴にどんどんイモを植えていって下さい。」

1年生たちは早速作業に取りかかりました。

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ミーモ「春植えのイモはこの時期に植えるんですか?」

先生「少し早いのですが、これから春苗の準備や期末考査もあるからね。」

ミーモ「たしかに、どの部門も学校の行事予定を見ながらの作業になりますよね。」

先生「イモを植えて、その上にマルチをかけて保温して、イモの芽がマルチを押し上げたところで穴を開ける、というやり方もあるけど、今回はマルチに穴を開けて植えます。」

ミーモ「時期的に気をつけなければいけないことはなんですか。」

先生「3月になってからの遅霜(おそじも)です。対策はいくつもあるのですが、気をつけておく必要があります。」

1年生は最初こそぎこちない手つきで作業をしていましたが、慣れてくると要領が少しずつよくなって作業のスピードが上がっていきました。1人が穴を掘り、もう1人がイモを次々置いていきます。畝の端まで来たら今度はイモに土をかけて戻ります。そんな手順を繰り返すこと数十分、17本の畝に植え終えたところでキタアカリの種芋がなくなって、作業終了となりました。作業に使った道具は残りの種芋と一緒に,近くのハウスに片付けて、みんなで野菜の管理室に戻ります。管理室の前で挨拶をして、今日の実習は終わりました。

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先生「このあと、春苗の準備が始まります。ハウスの中ではトマトやイチゴも育てています。」

先生はそう言って、ハウスの中のトマトやイチゴを見せてくれました。ミーモは「寒いけど、ハウスの中では着々と春の準備が始まっているんだなぁ。」と思いました。