ミーモの「枯葉掃除&黒松剪定」

今日は1月4日ということで新年最初の農場当番が行われます。

農場本部前への集合時間はいつもと同じ8:30。

集合点呼のあと、当番の先生のお話に続いて、

今日は校長先生のお話がありました。

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校長先生「今年は寅年です。みなさんは虎ってどういうイメージがありますか?

強そう、しっかりしている…などですよね。皆さんも今年は虎のように強い気持ちで、なにか新しいことにチャレンジしてみて下さい。」

ミーモ「校長先生、いいこと言うなぁ。僕は今年なににチャレンジしようかなぁ…。」

そうこうしているうちに農経生たちは,今日の作業の説明をきくために各部門に移動していきました。

ミーモ「先生、デザイン部門では今日はどんな作業をするんですか?」

先生「今日は見本園の掃除とか、松の手入れとかをしようと思っています。」

ミーモ「年末は風が強かったから、農場内にもたくさんの枯葉や木の枝が落ちているなぁ。よし、今日はデザイン部門に行って農場内の環境整備の手伝いをしよう!」

ということで、ミーモはデザイン管理室の前に集合している当番生徒に混じって作業の説明をきき、今日の作業を手伝うことに決めました。

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先生「それでは、今日はまず見本園に行って、通路の周りの枯葉を集めて取りたいと思います。作業は2人一組で行います。3年生4人で必要な道具を準備して下さい。軍手が必要な人は、後ろのテーブルのを使って下さい。」

専攻生「先生、一輪車は何台ですか?」

先生「2人一組なので、3台かな。竹箒とガンジキ(=熊手)も持って行こう。」

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専攻生たちは道具を準備すると、みんなで見本園に移動していきました。

見本園に着くと、早速みんなで通路の掃除に取りかかりました。通路にも木の下にもたくさんの落ち葉が貯まっています。

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先生「ここから、池の向こうの銀杏の木の辺りまで掃除しますよ。通路と、その周りの刈りこみの中の落ち葉を重点的にとっていこう。」

専攻生「はーい。」

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先生「集めた落ち葉が袋いっぱいになったら、向こうの堆肥の所に捨ててきて下さい。」

農経生「はーい。」

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みんなで黙々と作業すること約1時間で見本園の池を半周するぐらいの落ち葉を掃除することが出来ました。

ミーモ「よし通路が大分きれいになったぞ。正月だらだらしていたから、久しぶりに運動して、ちょっと疲れたなぁ。」

先生「それでは15分ぐらい休憩しましょう。道具を一カ所に固めて、休憩して下さい。」

休憩のあと、今度は専攻生が松の剪定をすることになりました。

先生「それでは、見本園に移動します。1人1本ずつ芽切りバサミを持っていって下さい。」

専攻生「分かりました。ミーモも、これ、はい。」

ミーモ「ありがとう。…先生、お正月前によく庭師さんが松の手入れをするのを見かけますね。」

先生「松は松ヤニが多いから、寒いときに剪定をすることが多いよ。気温が高いときは木が活発に活動しているから、剪定をすると切り口から松ヤニがたくさん出て見た目が悪くなっちゃうんだよ。」

専攻生「今日はどの松の剪定をするんですか?」

先生「それでは、この辺りの黒松の手入れをしましょう。」

黒松のところで先生がみんなに説明をしてくれました。

先生「今日は黒松の剪定を行います。簡単にいうと今日切り取るのは『元気な芽』です。」

専攻生「どうして元気な芽を切っちゃうんですか?」

先生「松はきれいに形を整えることが大切です。元気な芽や、幹に向いて伸びた枝が成長すると、せっかくきれいに整えていた棚の形が崩れてしまいます。だから今のうちに切っておくんですよ。」

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ミーモ「棚はどうやって作るの?」

先生「この木の場合はもうある程度形が出来ているので、今ある棚の形を維持するように、ある程度平らで、あとは葉の数がまんべんなく均等になるように意識して剪定して下さい。」

ミーモ「なるほど。でも、難しそうだなぁ。」

先生「例えばこの芽を見て下さい。この部分がこの一年で成長したところです。ここから下にあるのは古葉(=ふるば)といって去年の葉です。これを指先でつまんで取ってあげて、…あとはこうして、こうして、…育って伸びたときの形を考えて横の芽を摘んでおきます。」

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専攻生「この芽は隣りの芽の葉とくっついていますね。」

先生「そうですね。枝や葉が多くなると風通しが悪くなります。そうすると、そこに毛虫などの害虫が潜んだり、病気が発生しやすくなったりします。だから混み合っているところの芽を摘みます。また古葉も取って葉を減らしましょう。」

ミーモ「他に気をつけることは何かありますか?」

先生「枝や芽の先に葉を残しておくことです。葉があるところまでは根が吸った水が上がって来ます。でも葉を取ってしまうと水が届かなくなり、時間が経つとその部分は枯れてしまいます。だから、残しておきたい枝の先には必ず葉を残すことが大切です。」

専攻生「どこから手を付ければいいんだろう…」

先生「基本的には自分の身体に遠いところから手前に向かって剪定をしていきます。枝や芽を切り取るとそこから樹液が出ます。樹液というのはつまり松ヤニですね。松ヤニは服に付くと洗ってもなかなかとれません。だから、松ヤニが実習服に付かないように『遠くから近くに』が基本です。もうひとつは、みんなもお風呂から出てバスタオルで水気を拭いていくとき、頭や体の上の方から拭くよね?」

専攻生「たしかに。」

先生「剪定も同じで、上から下に、切った枝や葉を下に下に落としながら行います。美しい木や庭に仕上げるために作業効率を考えながら剪定します。」

ミーモ「なるほど。」

先生「それでは各自、自分の担当する棚を決めて、手入れを始めて下さい。」

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ミーモも芽切りバサミを持って松の枝に向き合いました。しかし…

ミーモ「葉が密になっていて、どこかを切らなければいけないのは分かるけど、どれを切ったらいいのか分からないなぁ…」

先生「とりあえず、古葉を取るだけでも大分すっきりしますよ。」

専攻生はパチンパチンと軽快に枝や芽を切っていきます。掃き掃除などと違い、剪定は身体を動かすことが少ない作業なので寒さが身にしみます。みんなで黙々と剪定していると、午前の実習の終わる時間が近づいてきました。管理室に帰って挨拶をして当番記録を記入して今日の実習は終了です。

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ミーモは「松の木に限らず、たくさんの樹木がある庭を半日で剪定して、しかも

きれいに掃除までしてしまう庭師さんって、やっぱりすごい職人さんだなぁ。」としみじみ感じました。