真夏の当番実習編②チーモの「アスパラの畝作り」
今日も暑い中、当番生徒が点呼を受けています。
野菜部門ではアスパラガスの植え付けの準備をするということで、
今日は野菜部門を見に行くことにします。
野菜部門の管理室前では5人の当番生徒が集合しています。
先生「今日はアスパラガスのハウスで土入れをします。道具を持って5号ハウスに移動して下さい。必要な道具は3年生の○○君、みんなに指示して下さい。」
3年生の野菜専攻生が今日の作業に必要な道具を準備し、みんなに手渡していきます。
専攻生「はい、これ。」
チーモ「ありがとう。スコップ持って5号ハウスに移動ね。」
みんなはスコップを持ってバードケージの側にある5号ハウスに移動しました。
5号ハウスで待っていると、運搬車に土を積んだ野菜の先生がやって来ました。
ハウスの中には鉄パイプと波板で囲われた枠の中に深さ50センチほどの泥が入った畝が2本あります。
先生「運搬車の土を、ここに全部落としていって下さい。」
当番生徒が荷台の泥をスコップで救って囲いの中に落としていきます。
チーモ「この泥はアスパラを植えるための土ですか?」
先生「はい、花崗土に堆肥を混ぜています。」
チーモ「昨日食べたホワイトアスパラの天ぷらがおいしかったなぁ。ここには夏休みにアスパラガスを植えるんですか?」
先生「いや、アスパラガスを植えるのは来年です。今日はその準備です。」
チーモ「そっか。アスパラガスが食べられるのは、まだまださきなんだな…」
話しながら、作業を見ていた先生がみんなにアドバイスします。
先生「荷台に上がって作業した方がやりやすいので、荷台に一人上がって下さい。他の人は上の人がすくいやすいように泥を寄せてあげて。あなたは泥をすくって枠に入れて。効率よく作業できるようにみんなで考えよう。」
専攻生「では、まずは私が荷台に上がります。みんなでローテーションしよう。上の人は次の回は扇風機の前で休憩ね。」
みんなで協力して荷台の泥を下ろしたら、運搬車をハウスの外の通路にバックで出して待機します。すると、先生が管理室のところで配合した泥を( )で運んできて運搬車の荷台に下ろします。三年生が運搬車を枠の側に動かして止めると、みんなで泥を畝に下ろします。
専攻生「先生、運搬車のエンジンが止まりました!」
先生「どれどれ…あ、これガソリンがないわ。管理室からガソリンを持ってきて。他の人は10分休憩。日陰で休んだり、給水したりしていて下さい。」
専攻生と先生が管理室からガソリンを持ってきて給油し、運搬車のエンジンがかかると作業再開です。引き続き4人で作業を交代しながら一人が休憩をします。
チーモ「ハウスの外は涼しいなぁ。」
専攻生「いやいや、ハウスの中が暑いからそう感じるだけで、今日も30度を超える暑さだよ、絶対。」
ハウスの中は外よりも気温が高いため、作業の間にハウスの外に出ると涼しさを感じ、真夏の風に心地よさを感じます。
こうして扇風機の前で汗を乾かし適度に水分を補給しながら作業を続けること2時間、枠の中が土で埋まり、2本の上がほぼ完成して、ようやく終わりが見えてきました。
先生「あと運搬車2回で配合した土が終わりです。残りの土は畝の浅い部分に入れて下さい。」
こうして、5号ハウスにアスパラガスを植えるための2本の畝が出来ました。
使った道具を運搬車の荷台に載せ、管理室に帰る道すがら、道に落ちている土をすくいながら歩きます。シャベルや土ならしを洗い、少し休憩したら次の作業です。
先生「次はハウスのトマトを土壌消毒するためのビニールシートを作ります。ここに1本100mのビニールシートが2本あります。これを25mずつで切ってシートを作ります。全部で何本出来るんかなぁ。」
農経生「えーと…8本?」
作業場所はみんなが当番前に全体点呼を行う農場本部前の主通路です。メジャーを25m伸ばして通路の路肩に置き、目盛りに合わせてシートを伸ばします。25mのところでハサミで切り、折りたたんで保管します。
これが終わると、管理室前に集合して最後の点呼です。
先生「今日も暑かったですね。このあと、日誌を書いて終わりです。お疲れ様でした。」
専攻生「脱帽。気をつけ。礼。ありがとうございました!」
チーモは「今日作った畑に出来たアスパラガスを天ぷらにして食べたいなぁ。」と思いました。