真夏の当番実習編③ミーモの「播種、定植、灌水」

今日も暑い中、当番生徒が農場本部前に集まっています。


  
今日は谷水田やその奥の畑で作業をしている作物部門に行ってみます。

農場本部前での全体点呼が終わると、今日は8人の生徒が作物部門のライスセンター前に整列しました。

先生から今日の作業の説明があります。

ミーモ「今日はどんな作業をするんですか?」

先生「今日はまず、谷水田の奥の畑に行きます。そこでおひさまコーンの播種や、小豆の定植、サツマイモの灌水をします。それでは、トラックに播種に必要なマルチカッターや両刃スコップ、ジョウロを積んで下さい。三年生は荷台のタンクに給水して、あと、そっちの小豆の苗を積んで下さい。」

ミーモ「なんか、忙しそう…」

専攻生「先生、水はタンクのどこまでですか?」

先生「そうやなぁ…200リットルぐらいかなぁ。」

 
  
専攻生は指示された道具を準備したり、給水をしたりしています。

先生は播種に必要な種や薬剤、トレーやメジャーなどのこまごました道具をトラックの荷台に載せました。

他の当番生徒も軍手をはくなどして、各自準備が出来たら谷水田に移動します。




谷水田につくと先生の指示があります。

先生「それでは2年生3人はおひさまコーンを播種していきます。こっちに来て下さい。」

2年生が先生の指示で白色のマルチがかかった畝に移動します。

先生「それでは、メジャーを持って畝の向こうまで行って下さい。…そうそう、そこでストップ‼畝の真ん中にメジャーを置いて下さい!…もっと引っ張って!文字を上にしないと目盛りが見えないよ。…OK!」

先生はもう1人の2年生に

先生「では、株間30センチで植えるので、メジャーをよく見て、ここから30センチ間隔で穴を開けていって下さい。列が曲がらないように気をつけてね。」

指示された2年生が、マルチに穴を開ける「マルチカッター」という道具で注意深くメジャーを見ながら30センチ間隔で穴を開けていきます。株間を指示します。
 
  
穴が空くと、先生は種の植え方を指示します。

先生「ひとつの穴に3粒ずつ、このおひさまコーンを播種していきます。まず土に穴を開けます。深さは指の第2関節ぐらい。その穴に種をまいて、土をかけます。土が乾いているので、穴が開けにくいときは、種を置いてその種を指の第2関節まで押し込んで、上から土をかける、という方法もあります。」

ミーモ「僕もやってみていいですか?」

先生「いいよ。じゃ、これを植えて下さい。」

ミーモ「土が乾いているから、指で穴を開けてもすぐに崩れてくるなぁ。とりあえず、種を置いて、それを指で押して…それから土をかけよう。こんな感じでいいかなぁ。」

作業をしていると、実習服に日差しが当たって汗が出ます。

ミーモ「まさに、おひさまコーンだね。」

2年生「………」

2年生は、種の入ったお皿を持ち、列の両端から真ん中に向かって種を植えていきました。






別の2年生はマルチがかかっていない列にメジャーを置き、30センチ間隔で穴を開けていきます。穴を開けると、ライスセンターから持ってきた小豆の苗が入ったポットを穴のそばに並べ始めました。

先生「小豆の苗はあんまり根が張っていないので、ポットから外すと土が崩れます。苗にちょっと水をやって湿らせると植えやすいかもしれませんね。穴の中にダイアジノン(=土の中の害虫を駆除する細かい顆粒状の殺虫剤)が入っているので、土をちょっと混ぜて、苗を置いて下さい。ちょっと深めで植えます。」

 
 
 
   
先生「植えたらジョロでそっと灌水して下さい。」

ミーモ「どうして小豆の灌水はジョウロでそっとあげるの?」

先生「小豆の苗は茎が細くて丈が長いので、ポンプの水をかけると水圧で折れちゃうからね。ちょっと手間だけど、ジョウロでやるんだよ。」

ミーモ「ふーん。」

2年生がトラックの荷台のタンクからジョウロで水をすくって、定植したばかりの小豆の苗に灌水します。
専攻生は近くの水路からポンプで水をくみ上げ、ホースにつないで先ほど植えたトウモロコシに灌水します。

それが終わると、別の畝のサツマイモにも灌水をします。

ここのところ晴天が続いているので土が乾いています。

ミーモ「土がカラカラですね。」

先生「そうなんですよ。一雨ほしいところなんですけどね。」

ミーモ「これだけ天気がいいと、毎日しっかり灌水しないといけないですね。」

先生「そうですね。灌水作業は夏の当番実習の大切な作業のひとつです。」



 
  

灌水作業が終わると、使った道具をトラックに積んで一度ライスセンターに帰ります。

一度休憩を挟んでから、次の作業に取りかかります。




先生「それでは次は、運動場のサツマイモの灌水と、相撲場の裏の畑のポップコーンの片付けに行きます。」

ミーモ「それでは、まずはサツマイモ畑の灌水を見に行こう。運動場にサツマイモ?…どこにあったのかなぁ。」

専攻生「野球のバッティングケージの近くに行ってみて。」

ミーモが行ってみるとバッティングケージ裏と近くのフェンス際にサツマイモの畝が2本ありました。

 
  
  
ミーモ「ここの畑は作物部門の畑なの?」

専攻生「ここは『空き地の有効活用』という課題研究のサツマイモ畑です。」

先生「雨が降ると運動場の泥が流れて水路にたまります。それを水路横に掻き出したものが数年間たまっていたので、畝のように仕立てて、そこにサツマイモを実験的に植えてみたんです。こっちは整地してグラウンド脇にたまった砂と砂利を畝に仕立てました。どちらも砂地のような土壌なので、おいしいサツマイモが期待できますよ。」

ミーモ「おもしろいテーマだなぁ。こんな所に畑があるなんて知らなかったです。」




相撲場の裏では、収穫が終わったポップコーンの畑の片付け作業が行われています。

まず、畝の周りの杭を抜き、マルチを剥がし、株の根元を剣スコップで掘り起こして、ポップコーンを抜いて行きます。

先生「抜いた株は、あとでトラックで運ぶのであっちにまとめて置いて下さい。」

ミーモ「このトウモロコシは背が高いなぁ。」

 

    

  

牛舎裏に移動した専攻生は、畝の米ぬかをまいています。

 
  
ミーモ「畑の土に米ぬかを混ぜると、肥料になって収量が上がるのですか?」

専攻生「いや、そうじゃないよ。ここにはジャガイモを植えて、米ぬかが『そうか病』(=ジャガイモの表面にかさぶた状のものが出来てしまう病気)が発生するのを防ぐ効果があるかどうかを実験するんだよ。」

ミーモ「米ぬかにはそんな効果が期待できるの?知らなかったなぁ。」





ポップコーンの片付けが終わった1.2年生は、今度はライスセンターに戻ってきて収穫したポップコーンをハゼに吊して干しています。

ミーモ「一粒一粒にツヤがあって、きれいなオレンジ色ですね。まだしっとりしているけど、これを乾かすとポップコーンになるの?」

先生「そうだよ。1ヶ月ぐらい乾かして硬くなったら完成だよ。ポップコーンになるのが楽しみだね。」
 
  

各場所に散らばっていた当番生徒が戻ってきてライスセンターに集合したら、
点呼して終了です。


 
ミーモは「今日はとにかく暑かったけど、いろんな作業をしたから時間が短く感じたなぁ。それぞれの作物に特徴があるのがよく分かって勉強になるなぁ。」と思いました。





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