第4回 ミーモの「市場出荷&シクラメン」

連休中も草花部門は大忙しで出荷の準備をしています。
今回は二日間、草花部門の当番実習を密着します。

【1日目】
昨日までの嵐のような強風は収まって、今日は快晴の万塚農場です。
草花部門の管理室前には草花の専攻生が全員集まって、出荷準備が始まります。

 

チーモ「先日、カーネーションの出荷は終わりましたよね?今日はどんな作業をするのですか?」

先生「今日は、温室にまだ少しだけ残っているカーネーションをすべて出荷する準備をします。枯葉取りをして出荷袋に入れ、同じ品種でまとめます。」

 
  
専攻生たちはそれぞれピンセットを片手にハウス内のカーネーションの鉢を丹念に眺めて周り、枯葉がないか最終チェックをします。枯れた花びらや葉がないか先生が最終点検をし、OKが出たら、出荷袋をかけて同じ色でまとめ5鉢で1ケース作ります。

専攻生A「○○さーん、そっち赤あと何個ある~?」

専攻生B「先生、袋が足りませーん!!」

専攻生C「これ、出来たのでここに置いておきまーす!」

 

  
それぞれの品種が5鉢以下になると、あとは品種を混ぜて5鉢で1ケースにまとめ、温室の入り口近くにまとめます。

専攻生全員でバタバタと作業を進め、出荷袋がかかったカーネーションが温室の入り口付近に集まりました。



休憩を挟んで今度はペチュニアの出荷準備です。先生から次々と指示が飛び、専攻生がテキパキと動きます。

先生「では、ケースに白だけ入れて下さい。4×6鉢で24鉢の1ケースです。」

先生「次は白12,紫8,赤4で3ケース!」


ミーモ「ペチュニアの色はきれいに咲いていますね。」

先生「少しでもきれいに見えるように、ケースに並べる配色を考えています。…○○さん、咲き終わった花びらを取り除きながらケースに入れて下さい。」

続いてマリーゴールドの出荷です。マリーゴールドは3色あってどれもきれいです。

先生「△△さんと、□□さん、こっちに来て。マリーゴールドをオレンジ10,黄色10,薄い黄色8で作って。できたら台車に載せて、倉庫に運んで下さい。」

日々草も出荷の準備をしています。

先生「■■さん、▲▲さんは、この空の台車を上の10号ハウスに持って行ってください。あっちに日々草を9つ作っているので、台車に載せて、下の倉庫にそのまま運んで置いといて下さい。」

 

 

 
  
  
  

先生「では、あっちのハウスから苗を運んできて、空いたスペースを埋めるように置いていって下さい。」

ミーモ「どうしてわざわざ移動するの?」

先生「こうして置いた方が管理がしやすいからだよ。水やりの手間も大分かからなくなるしねぇ。」

 
  
最後に、使っていた道具を片付けて、1日目の作業は終了しました。



【2日目】

今日は、昨日出荷するためにまとめた鉢ものや苗ものをトラックに積み込む作業から始めます。出荷する種類と数をチェックしながらみんなでトラックに積み込みます。

 

 
  
  

先生「ミーモ、トラックに乗って市場に行ってみる?」

ミー「行きたいです!乗せていって下さい。」

ミーモは先生と一緒にトラックに乗って市場に出荷作業のお手伝いをしに行きました。
 


先生「さぁ、市場に着きました。荷台から荷物を下ろす手伝いをして下さい。」

先生に言われて、ミーモは持ってきた花を市場の台車に積み替える作業を手伝いました。

先生「このカーネーションとペチュニアをお願いします。こっちのカーネーションと多肉植物は注文品です。」

先生は市場に提出する出荷伝票を見ながら持ってきたケースの種類や個数を市場の人に伝えます。市場の人は競売の作業がしやすいようにケースを仕分けて台車に載せていきます。


数分で出荷作業が終わると、先生が

先生「今日はまだ荷が少ないですね。市場内にどんな花が出荷されているのか見に行きましょう。」

 

   

  
ミーモ「カーネーションがありますね。あ、あじさいも多いなぁ。」

先生「最近は母の日にあじさいを送る地域も増えているようです。だから、この時期にあじさいの出荷が見られますね。」

ミーモ「こっちのカランコエはかわいいなぁ。」

先生「多肉植物のカランコエも人気がありますね。」

ミーモ「市場に出荷されている花の種類でその時期の傾向を見るのも、勉強になりますね。」

先生「そうですね。さて、それでは、そろそろ学校に戻ってシクラメンを植えますよ。」

ミーモ「はーい。」



学校に戻ると、今度はシクラメンの鉢上げの作業が待っています。昨日までカーネーションがたくさんあった温室ですが、今日からは、ここがシクラメンの温室になります。

トラックへの荷物の積み込みと並行して行われていた土入れの作業で、培養土が入ったポットがたくさん準備できています。それをきれいに並べ、育苗ケースからポットへの鉢上げ作業を行います。

 
  
先生「それでは、ここに消毒したピンセットと穴開けの道具があるのでこれを使って下さい。今からやり方を説明します。」

先生は実際に目の前でシクラメンの鉢上げをしながら、やり方を丁寧に説明してくれました。

先生「はじめにポットの中央に穴を開けます。この道具は、この育苗ケースの穴で型を取っているから、これをポットの真ん中に挿すと苗の根っことおんなじ形の穴が空きます。そこに苗を置いて下さい。苗の根元に小さな球根があるから、これを絶対に傷つけないように、ピンセットをこの向きで差し込んで、そのまま苗をすくい上げて下さい。苗の根元の土の高さとポットに開けた穴の高さが同じになるように気をつけて。」

ミーモ「なるほど、やり方は分かったから早速やってみよう。」

 

   
  
    
ミーモ「鉢上げに使う道具やピンセットを消毒するんですね。」

先生「昨日まで枯葉取りに使っていたピンセットだからね。作業していて球根に傷がついたら何があるか分からないので、きちんと消毒した道具を使います。」

ミーモ「シクラメンは冬の花だと思っていたけど、春から準備をしているんですね。」

先生「そうです。今日は数種類の色のものを3000株ぐらい準備しました。これから大変です。」

作業をしているうちにお昼が近づいたので、使った道具を洗って片付けて今日の当番は終わりました。「冬の花の準備がもう始まっているなんて知らなかった。次から次へと作業があって休む暇がないなぁ。」とミーモは驚きました。






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