入学式式辞


入学式 式辞

 花冷えのなか、象頭の山のそこかしこに春の息吹の力強さを感じる今日の佳き日に、PTA役員 山潟英司様、並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、香川県立琴平高等学校平成31年度入学式を挙行できますことは、私たち教職員にとりまして、大きな喜びであります。
 先ほど、入学を許可いたしました190名の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんはただ今をもって、香川県立琴平高等学校の生徒となりました。
 本校は、昭和12年に香川県琴平実科高等女学校として創立されて以来、80年を超える歴史と伝統を持ち、地域の方々の熱い思いに支えられ、常に地域とともに歩んできた学校であります。「誠意、熱意、創意」の校訓のもと、生徒と教師が一つになって、勉学、部活動、ボランティア活動などに積極的に取り組み、大きな成果をあげてきました。新入生の皆さんも校訓を胸に刻み、何事にも誠意と熱意をもって取り組み、創意を凝らして自らを高めていってください。
 さて、古典物理学理論を完成させたアイザック・ニュートンは、「自然は連続している。」という言葉を残しています。自然には国境などという区切りはありませんし、空間的にも時間的にも自然は連続しています。同じように人の成長も連続しています。しかし、私たちはその連続する人の成長に区切りを入れようとします。そして、その区切りをはっきりさせるために儀式・式典を行います。この入学式もそのような式典です。つまり、みなさんは入学式という区切りを通り抜けて高校生になるのです。時を区切ることで、私たちは精神をリフレッシュさせ、新たな気持ちで新しい段階へと進むことができるのです。皆さん、今この時を通り抜けて、新たな心で高校時代を迎えましょう。ただ何となく高校生になってはいけません。気持ちに区切りをつけ、まず、最初に新しい目標を立てるのです。そして、明日からその目標に向かって一歩ずつ進んで行きましょう。皆さんが新たな世界へ導かれるのは、毎日の地道な積み重ねによってしかできないのです。自らを励ましつつ一歩一歩進んでいきましょう。
 保護者の皆様、お子様のご入学おめでとうございます。心より、お祝いを申し上げます。お子様は、貴重な青春の三年間を本校で学ばれることを決意され入学されました。お子様にとっては、本校でのこれからの三年間は、自分の人生の在り方を模索し、自分の責任において将来の道筋を決める大切な時期となります。三年後にお子様が琴平高校を飛び立つときは、同時に、お子様が一人の人間として親元を離れ、社会の荒波に漕ぎ出すときでもあります。
 私たち教職員も、お子様が必要な資質や能力を伸ばすことができるよう全力で指導・支援させていただきます。どうか、本校との連絡を密にしていただくとともに、本校教育に対しましてご理解とご協力を賜りますよう、お願いいたします。
 令和の時代を担っていく新入生の皆さんが、今日の感激を胸に刻み、心身とも健康で明るく、目標に向かって学校生活を送れますよう心よりお祈りしまして、式辞といたします。

 

 平成31年4月9日       
香川県立琴平高等学校長 志賀紀之