アルゼンチンだより

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アルゼンチンだより(ブログ)

第7回 留学体験記

2025年9月7日 09時27分
 「八月」と聞いて、何を頭に思い浮かべるでしょうか。海やプール、すいかやそうめんを思い浮かべることが多いでしょうか。今年の八月、私は冷たい風の吹く中コートに身を包み、暖炉の前で震えながら過ごしていました。先月よりは寒さも幾らか和らぎましたが、それでもヒートテックがないと厳しい冬が続いています。
 今月の21日で留学生活も半年が過ぎ、ちょっとした節目を感じています。帰国までの残り期間で何ができるのかを考えて、焦ったり寂しくなったりしていますが、なによりも自分の納得を優先しようと思います。
 八月の初め、私はAFSサポーターの方と、アメリカからの留学生の友達と登山に行きました。サポーターの方がハイラックスみたいなごつい車を持っていて、それに揺れに揺れながら舗装されていない山道を進んで行きました。それはもう尋常じゃないくらいに揺れ、ディズニーかUFJのアトラクションくらい揺れていました。幸い、全員が乗り物酔いをしないタイプだったので無事に登山口までたどり着くことができました。登山と言っても、決まった道があるわけではなく乾いた川の跡や、ごつごつした岩のかけらを踏み越えてハイキングをしていた印象ですが。
 今回の登山は、月一回の軽い報告も兼ねていたので、とりあえずのゴールでマテ茶を飲み、自分のスペイン語がなかなか上達しないことを話したり、同行していた留学生の友達自身のことについて尋ねたりしていました。帰るときに近くの山に向かって、やまびこを試したり、打ち捨てられていた廃車の中に入ったりしていました。(やまびこをするときは"Eco"と言います。動詞Echarの名刺版ですね。)
 その次の週、八月七日には原爆についての校外学習があり、小学校のときに広島の原爆ドームに行った話をしたり、みんなで折り紙を折ったりしました。日本以外の国でも原爆について教えているんだな、と興味深く思いました。授業内容としては、原爆は誰が作り、どんなサイズで、どんな影響があり、今サンフアン市内で爆発したらどこまでが実際に被害を受けるのか、というものでけっこう面白く聞けました。(説明の内容は半分も分かりませんでしたが、知ってたので推測できました)
 その日の放課後に友達からアルゼンチンの戦争について聞いたりおしゃべりしたあと、別の博物館のなかにあるキッズスペースでジェンガを四回くらい遊び、引き分けになったところで持ち越しました。……ここから友達間でのジェンガブームが幕を開けるのですが、それはまた別の機会に。
それから八月後半までに、こまごまとしたことが幾つかありました。こんな感じに。
・友達と美術館に行く。
・人生初めてのネットカフェに行く。
・メンドーサ州に再び行き、ホストシスターの誕生日を公園で祝った。
・カップケーキがもらえるという情報に釣られ、未だに正体が分からないワクチンを打つも、会場が違ったのでケーキを食べられなかった。
・エッグタルトを作ろうと試みるも、枠に対して材料が足らず、かつ生焼けっぽくなった。カスタードのつくり方は理解したが、お腹を壊すかもしれないという恐怖が二日間くらいまとわりついていた。
・初めてスカウトの活動に参加する。本では知っていたけれど、実際に参加したことがなかったのでいい経験になっていると思う。これからも参加し続けるつもり。友達もできたし。
・「こどもの日」におやつセットをもらう。お高めのアルファホールが入っており、しばらく温存しておいたが誘惑に耐えきれず食す。
・休み時間に「進化版UNO」のようなものをする。手札が50枚を超える。
・放課後の暇つぶしにサンフアン州の市民センター(字面では小さいイメージだが六階建ての巨大なビルである)に行き、町の風景の写真を撮った後、友達のおばあちゃんの職場にお邪魔する。外の広場でその友達(空手を習っている)の提案により、私は空手の技を、その友達は背負い投げをそれぞれ体験し草むらに寝転がる。
・ヤギのチーズをバザーで買い、食す。
・再びPijamadaに行き、300ピースある「凱風快晴」のパズルを二時間かけて組み立て、ホラー映画を見た後お好み焼きを作る。友達が初見でひっくり返すのを完璧にこなし、めっちゃはしゃぐ。(だって彼女、フライパンを上に振るだけでひっくり返したんですよ!)
・イタリアに帰った友達に送るために、レモンを握りつぶして汁をジュースの様に飲むという動画を取ろうとしたところ、思ったようにいかず汁が顔全体にかかったうえ、目に入り悶絶する。
いつも放課後に話している友達と一緒にPanchoのお店に行ったり、ミルクシェイクを飲みに行ったりする。
・クラスに新しく留学生がやってきて、みんなでお祝いした。一緒にコーラも飲みに行った。これからの留学生活をぜひ楽しんでほしい。
と、ここまでまとめてみましたが自分でも結構楽しんでいるなぁ、と思います。
さて、最後にはこの間あった月末のキャンプについてまとめます。
 このキャンプはスカウトの活動の一環として行われ、本やテレビで見聞きしていたような"スカウト"の活動でした。ひもを結んで足場を組み立てたり、清掃活動をしたり、一つのテーマについて考えて意見を発表したり、ヒントを探して暗号解読を行ったりと様々でした。正直なところ、参加を決める前から実際に着くまで、何をするか具体的に全く知らなかったのですこし怖く、面倒くさく思っていました。でも、スカウトのキャンプと言ってもみんなカードゲームをしたり、本を読んだり、暖房器具の近くで寝たりと気ままだったので、落ち着いて過ごすことが出来ました。
 これらの活動は本当に楽しかったのだけれど、実は頭痛が常に襲ってきており、いつもよりも聞き取る力が低下していたので大変でした。毎回友達に何をすればいいのか尋ねて何とかこなしましたがそも、単語も普段使わないものが多かったので難しかったです。それでも教えてくれようとしてくれた友達に感謝。ありがとう。めっちゃ助かりました。
また、この二日間雨が降っており、気温は2度まで下がっていました。一部では雪も降っていたようです。その上、寝袋しか用意しなかったのでちょっぴり寒かったです。次のキャンプにはマットを用意しようと思います。
 最後にスペイン語の状況について。自分のInstagramのほうではB1くらいと書きましたが、正直なところまだA2にとどまっていると思います。まだ語彙が少なかったり、話すスピードが遅かったり、文法が正確ではなかったりといった感じです。(最近感じたのは、"持って行く"と"持ってくる"の使い分けです。いつも前者ばかり使うので、たまに後者のシチュエーションになると良く間違えます。)
 話を聞いて要点をつかむことはできるのですが、表現までは追い切れていません。でも、友達との会話はほぼ困らなくなり、翻訳なしで一日の会話を終えることもできるようにはなりました。でも、長い説明を理解しきれない自分と友達と会話をこなせる自分と、どちらを信じればいいのでしょうね……。まぁ、そこらへんが今のところの悩みになります。
またの機会に。
では。
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