おススメ本の部屋へようこそ!

平成29年度より、おススメ本の部屋を開設しました。図書委員と図書部員と司書が、おススメする本を紹介しています。
校内の各所にも掲示していますので、興味や関心を持った人は、気軽に図書館に来て読んでみてください。貸し出し中なら予約も可能です!

おススメ本Ⅰ

『アリバイ崩し承ります』 大山誠一郎

2020年9月28日 09時42分

ドキドキ:★★★★☆ 真相:★★★★☆

 この本は、4月から県警捜査一課に配属された新米刑事の「僕」が、鯉川商店街にある美谷時計店の店主「美谷時乃」に成功報酬1回5000円で実際に起きた事件のアリバイ崩しを頼むという推理小説です。

 「時を戻すことができました。○○さんのアリバイは崩れました」と言って、推理を披露する時乃がかっこいいです。話を聞くだけで謎を解いてしまう上に、その推理にもびっくりします。テレビドラマ化もされている作品です。
 この機会に推理小説を読んでみませんか。

おススメ本Ⅱ

「明日へのペダル」熊谷達也著

2023年10月11日 09時25分

 直木賞作家が贈るロードバイク愛に溢れた小説です。健康上の理由から始めたロードバイク。優一は会社の部下である女性を師匠とし、ロードバイク技術を極めていきます。自転車を通して、優一たちは新たな扉を開いていきます。因みに著者自身もロードバイク愛に溢れ、イベントで受賞する腕前だそうです。

おススメ本Ⅲ

『八月、ぼくらの後悔にさよならを』小谷杏子

2022年6月30日 10時55分

驚き:★★★★☆ 感動:★★★★☆

 この作品は、十年という歳月を「幽霊」として漂う陽気な少年と、幽霊が見える少女のひと夏の物語。ある日サトルという幽霊と出会い、死んだ理由を探して欲しいと頼まれ、物語は進んでいく。
 私はこの作品を読んで、普段考えもしない「死」について深く考えるようになった。どれだけ自分が苦しい思いをしていても、死にたいなんて思ってはいけない。自分がいなくなることで、周りにどれほどの迷惑をかけてしまうのか。今回はそんな感情が多く頭によぎったが、途中でファンタジーな場面もあり、面白かった。最後には二人が知らなかった真実が明らかになり、そこが一番のポイントだと思った。

おススメ本Ⅳ

「朝のあかり」石垣りん著

2023年10月11日 09時32分

 「詩人・石垣りん」ではなく今回はエッセイの総集編。「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」「表札」「空をかついで」などの作品は、中学校や高校の国語教科書でご覧になったことがあるかも。
 2004年、84 歳で亡くなる前に3冊のエッセイ集が刊行されましたが、その中から71篇を選んで収録されたのがこの本。
 長年、丸の内の日本興業銀行で働いてきた彼女。大組織のいちばん低い場所で働いてきた彼女だから書けた作品も数多い。なぜ詩を書くのか?という新聞記者の問いに、〈長いこと働いてきて、人の下で、言われたことしかしてこなくてね。でも、ある時点から自分のことばが欲しかったんじゃないかな。何にも言えないけれど、これを言うときにはどんな目に遭ってもいいって〉
 この本には、凛とした、明晰なことばとともに、個として生きる喜びと哀しみが刻まれています。

おススメ本Ⅴ

「月と散文」又吉直樹著

2023年10月11日 09時33分

 インパクトのある表紙と又吉さんらしいエッセイの数々。彼の感情をぶつけているのに、どことなく優しく包み込まれる感覚になり、それでいて笑えるほど面白い。「火花」で芥川賞を受賞しただけあって、彼の言葉を巧みに操る技術はさすがとしか言いようがない。難しい表現ではなく、誰にでも伝わる言葉なのに深く考えさせられる文章。どことなく心が休まる本です。
 著者は、オフィシャルコミュニティサイト「月と散文」を開設中。息を呑む美しさに一見の価値あり。又吉さんならではのオンラインコンテンツです。

おススメ本Ⅵ

「教室に並んだ背表紙」相沢沙呼著

2023年10月11日 09時35分

 学校図書館を舞台に、先生と学生たちの優しい物語です。
 学校で辛い気持ちを抱えている人には特に響くかも。本を通して勇気をもらったり自分を少しずつ好きになれたり…。窮屈な世界が少しずつ拓(ひら)けていきます。素敵な大人になれそうな予感。6人の少女たちを繊細に描く連作短編集。
 ミステリー作家だけあって、ラストのタネ明かしはさすが!