おススメ本の部屋へようこそ!

平成29年度より、おススメ本の部屋を開設しました。図書委員と図書部員と司書が、おススメする本を紹介しています。
校内の各所にも掲示していますので、興味や関心を持った人は、気軽に図書館に来て読んでみてください。貸し出し中なら予約も可能です!

おススメ本Ⅰ

『ちくまQブックスSDGs時代の食べ方』井出留美

2022年7月13日 10時47分

知識:★★★★★ 発見:★★★☆☆

 僕はこの本を読んで、世界で食べられるものが13億トンも捨てられているのに、飢えや栄養不足の人がいることに疑問をもちました。食品ロスがなかったら牛や豚や鶏の命を奪わずに済んだし、生き物やお米を育てている生産者の方々の苦労も無駄にならなかったのです。
 食品ロスの半分は家庭から出ているそうです。私たちにできることは、食品を「買いすぎない」「まず家にあるもので作る」ことで、廃棄を少なくすることができます。

おススメ本Ⅱ

「明日へのペダル」熊谷達也著

2023年10月11日 09時25分

 直木賞作家が贈るロードバイク愛に溢れた小説です。健康上の理由から始めたロードバイク。優一は会社の部下である女性を師匠とし、ロードバイク技術を極めていきます。自転車を通して、優一たちは新たな扉を開いていきます。因みに著者自身もロードバイク愛に溢れ、イベントで受賞する腕前だそうです。

おススメ本Ⅲ

「文豪、社長になる」門井慶喜著

2023年10月11日 09時28分

 高松市に生まれた菊池寛の伝記です。 郷土が生んだ文豪、菊池寛先生のことをよく知る人はどの程度でしょうか。芥川龍之介や直木三十五を親友に持ち、早逝した二人の名前を冠した文学賞を創設したのも菊池寛です。
 日露戦争真っ最中のころ、香川県教育委員会は旧製糸場の地所と建物を購入し、高松市七番丁に図書館を開館させました。明治38年2月10日のことです。中学生の菊池寛は、父親に頼んで 5 銭をもらい、1 ヶ月間有効の入場券を 一番に買い、この図書館を利用しました。「こんまいころはトンボ釣りや百舌(もず)狩りなんぞやに熱中して、ずいぶんわんぱくな坊(ぼん)やったけんど、さすがは血やのう。藩政のころ、江戸へ出て漢詩の名手になったゆう菊池五山(ござん)翁の後裔(すえ)だけある」と街の人はうわさしたと言います。
 伝記がこんなに面白いなんて!と思える本です。

おススメ本Ⅳ

「朝のあかり」石垣りん著

2023年10月11日 09時32分

 「詩人・石垣りん」ではなく今回はエッセイの総集編。「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」「表札」「空をかついで」などの作品は、中学校や高校の国語教科書でご覧になったことがあるかも。
 2004年、84 歳で亡くなる前に3冊のエッセイ集が刊行されましたが、その中から71篇を選んで収録されたのがこの本。
 長年、丸の内の日本興業銀行で働いてきた彼女。大組織のいちばん低い場所で働いてきた彼女だから書けた作品も数多い。なぜ詩を書くのか?という新聞記者の問いに、〈長いこと働いてきて、人の下で、言われたことしかしてこなくてね。でも、ある時点から自分のことばが欲しかったんじゃないかな。何にも言えないけれど、これを言うときにはどんな目に遭ってもいいって〉
 この本には、凛とした、明晰なことばとともに、個として生きる喜びと哀しみが刻まれています。

おススメ本Ⅴ

『チルチルサクラ~桜の雨が君に降る~』いぬじゅん

2022年5月12日 16時23分

友情:★★★★★ 輪廻転生:★★★★

 ぽっちゃり女子高校生「空見姫花」の恋をきっかけに親友の杏奈との友情にひびが入っていく。そんな中、姫花が子供のころから通っていた図書館で手に取ったら幸せになれる「幻の本」を見つけると、来世の私という女の人から事故で死ぬ運命だったと告げられ、素直になりなさいと命じられる。その不思議な出来事のおかげで姫花は恋にも友情にも素直になることができる。
 友情を描いた本で、怖くても素直になって気持ちをぶつけ合うことで友人の大切さに気づくことができると教えられました。また、人との出会いだけでなく本との出会いによって良いように変わる姫花や周りの友達の話を読んで、私もこれからいろいろな人や本との出会いを大切にしていきたいなと思いました。

おススメ本Ⅵ

「教室に並んだ背表紙」相沢沙呼著

2023年10月11日 09時35分

 学校図書館を舞台に、先生と学生たちの優しい物語です。
 学校で辛い気持ちを抱えている人には特に響くかも。本を通して勇気をもらったり自分を少しずつ好きになれたり…。窮屈な世界が少しずつ拓(ひら)けていきます。素敵な大人になれそうな予感。6人の少女たちを繊細に描く連作短編集。
 ミステリー作家だけあって、ラストのタネ明かしはさすが!