おススメ本の部屋へようこそ!

平成29年度より、おススメ本の部屋を開設しました。図書委員と図書部員と司書が、おススメする本を紹介しています。
校内の各所にも掲示していますので、興味や関心を持った人は、気軽に図書館に来て読んでみてください。貸し出し中なら予約も可能です!

おススメ本Ⅰ

「リエゾン」ヨンチャン著

2023年10月11日 09時22分

 児童精神科を舞台に、心の病を抱える子供たちと向き合い解決策を見出していく漫画です。 2023 年 1 月にテレビ朝日系列でドラマ化されました。 リエゾンとは、フランス語で、連携、つなぐ、を意味します。
 本校福祉科の先生も大絶賛のこの漫画、ぜひ読んでみてください。現在13巻まで刊行。どの巻から読んでも意味が分かるようにできています。

おススメ本Ⅱ

「リアルプリンセス」  寺地はるな 他

2017年4月19日 09時56分

切なさ:★★★★★ 面白さ:★★☆☆☆
 この本は、短編集になっていて、『プリンセス』の話の現代版です。私が一番気に入ったのは「あの人は海を捨てた」です。
 これは乙姫をモチーフにした物語で、主人公の透香は小学校の頃、いじめられていましたが、クラスメイトの誠も同じようにいじめを受けていました。ある日の放課後、透香の描いた浦嶋太郎の絵が踏みつけられていました。その絵を守ったのは同じクラスメイトの晴也でした。大人になって3人は再会し…。
 この物語は、普通の浦嶋太郎とは違った終わり方をしていますので、「こんな終わり方もあるのか」と思うような話です。この本を読んで切ない気分を味わってみてはいかがでしょうか。(図書部)

おススメ本Ⅲ

『鍵のかかった部屋』 似鳥鶏・彩瀬まる・友井羊・芦沢央・島田荘司

2020年11月2日 10時10分

おもしろさ; ★★★★☆ ミステリー:★★★★★

 この本は、「密室」そして「糸を使って外から鍵を閉める」というトリックを使うことを前提として書かれたミステリー作品です。
 5作品の中で、特に私が気に入っている作品は、「大叔母のこと」です。主人公草部美奈は、ある日親戚に亡くなった大叔母成瀬富士子の自宅の片づけを頼まれた。自宅は手入れがされており、ほとんど片付いていた。しかし、ある部屋に鍵がかかっていた。なぜ、その部屋は鍵がかかっていたのか。そこに隠されていた秘密とは一体どんなものなのか。そして、大叔母の過去に何があったのか。謎を解き明かす楽しみだけでなく、心温まる作品となっています。
 ミステリー好きな方もほっこりしたい方も楽しむことができるので、ぜひ、読んで見て下さい。

おススメ本Ⅳ

「朝のあかり」石垣りん著

2023年10月11日 09時32分

 「詩人・石垣りん」ではなく今回はエッセイの総集編。「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」「表札」「空をかついで」などの作品は、中学校や高校の国語教科書でご覧になったことがあるかも。
 2004年、84 歳で亡くなる前に3冊のエッセイ集が刊行されましたが、その中から71篇を選んで収録されたのがこの本。
 長年、丸の内の日本興業銀行で働いてきた彼女。大組織のいちばん低い場所で働いてきた彼女だから書けた作品も数多い。なぜ詩を書くのか?という新聞記者の問いに、〈長いこと働いてきて、人の下で、言われたことしかしてこなくてね。でも、ある時点から自分のことばが欲しかったんじゃないかな。何にも言えないけれど、これを言うときにはどんな目に遭ってもいいって〉
 この本には、凛とした、明晰なことばとともに、個として生きる喜びと哀しみが刻まれています。

おススメ本Ⅴ

「月と散文」又吉直樹著

2023年10月11日 09時33分

 インパクトのある表紙と又吉さんらしいエッセイの数々。彼の感情をぶつけているのに、どことなく優しく包み込まれる感覚になり、それでいて笑えるほど面白い。「火花」で芥川賞を受賞しただけあって、彼の言葉を巧みに操る技術はさすがとしか言いようがない。難しい表現ではなく、誰にでも伝わる言葉なのに深く考えさせられる文章。どことなく心が休まる本です。
 著者は、オフィシャルコミュニティサイト「月と散文」を開設中。息を呑む美しさに一見の価値あり。又吉さんならではのオンラインコンテンツです。

おススメ本Ⅵ

「教室に並んだ背表紙」相沢沙呼著

2023年10月11日 09時35分

 学校図書館を舞台に、先生と学生たちの優しい物語です。
 学校で辛い気持ちを抱えている人には特に響くかも。本を通して勇気をもらったり自分を少しずつ好きになれたり…。窮屈な世界が少しずつ拓(ひら)けていきます。素敵な大人になれそうな予感。6人の少女たちを繊細に描く連作短編集。
 ミステリー作家だけあって、ラストのタネ明かしはさすが!