『ひきこもりの弟だった』 葦舟ナツ
2019年3月4日 14時10分感動:★★★★★ 読みやすさ:★★★★☆
この本は、少し変わった恋愛の物語です。主人公の「啓太」は、人を愛することができない人間です。そんな彼が、初対面の女性「千草」と夫婦になるのです。何の接点もない二人を結ぶのは、出会った時の「3つ目の質問」だけ。それは終盤になるまで明かされず、どんな質問だったのかを推理しながら読むのも面白いかもしれません。二人の生活は円滑に進みます。その中で、啓太は過去の記憶を思い返していきます。この本は、現在の千草との生活と過去の自分の記憶が交互に書かれています。そのおかげで読んでいて飽きないと思います。そして最後は、自分の過去を見つめ直し、千草との生活を続けた啓太がある決断をしますが、それが切なくて感動すると思います。