おススメ本の部屋へようこそ!

平成29年度より、おススメ本の部屋を開設しました。図書委員と図書部員と司書が、おススメする本を紹介しています。
校内の各所にも掲示していますので、興味や関心を持った人は、気軽に図書館に来て読んでみてください。貸し出し中なら予約も可能です!

おススメ本Ⅰ

「リエゾン」ヨンチャン著

2023年10月11日 09時22分

 児童精神科を舞台に、心の病を抱える子供たちと向き合い解決策を見出していく漫画です。 2023 年 1 月にテレビ朝日系列でドラマ化されました。 リエゾンとは、フランス語で、連携、つなぐ、を意味します。
 本校福祉科の先生も大絶賛のこの漫画、ぜひ読んでみてください。現在13巻まで刊行。どの巻から読んでも意味が分かるようにできています。

おススメ本Ⅱ

「明日へのペダル」熊谷達也著

2023年10月11日 09時25分

 直木賞作家が贈るロードバイク愛に溢れた小説です。健康上の理由から始めたロードバイク。優一は会社の部下である女性を師匠とし、ロードバイク技術を極めていきます。自転車を通して、優一たちは新たな扉を開いていきます。因みに著者自身もロードバイク愛に溢れ、イベントで受賞する腕前だそうです。

おススメ本Ⅲ

『八月、ぼくらの後悔にさよならを』小谷杏子

2022年6月30日 10時55分

驚き:★★★★☆ 感動:★★★★☆

 この作品は、十年という歳月を「幽霊」として漂う陽気な少年と、幽霊が見える少女のひと夏の物語。ある日サトルという幽霊と出会い、死んだ理由を探して欲しいと頼まれ、物語は進んでいく。
 私はこの作品を読んで、普段考えもしない「死」について深く考えるようになった。どれだけ自分が苦しい思いをしていても、死にたいなんて思ってはいけない。自分がいなくなることで、周りにどれほどの迷惑をかけてしまうのか。今回はそんな感情が多く頭によぎったが、途中でファンタジーな場面もあり、面白かった。最後には二人が知らなかった真実が明らかになり、そこが一番のポイントだと思った。

おススメ本Ⅳ

「朝のあかり」石垣りん著

2023年10月11日 09時32分

 「詩人・石垣りん」ではなく今回はエッセイの総集編。「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」「表札」「空をかついで」などの作品は、中学校や高校の国語教科書でご覧になったことがあるかも。
 2004年、84 歳で亡くなる前に3冊のエッセイ集が刊行されましたが、その中から71篇を選んで収録されたのがこの本。
 長年、丸の内の日本興業銀行で働いてきた彼女。大組織のいちばん低い場所で働いてきた彼女だから書けた作品も数多い。なぜ詩を書くのか?という新聞記者の問いに、〈長いこと働いてきて、人の下で、言われたことしかしてこなくてね。でも、ある時点から自分のことばが欲しかったんじゃないかな。何にも言えないけれど、これを言うときにはどんな目に遭ってもいいって〉
 この本には、凛とした、明晰なことばとともに、個として生きる喜びと哀しみが刻まれています。

おススメ本Ⅴ

『恋する寄生虫』三秋 縋

2022年6月30日 10時59分

切ない:★★★★☆ 感動:★★★★★

 この物語は、潔癖症を患い失業中の高坂賢吾と、視線恐怖症があり不登校になってしまった女子高生、佐薙ひじりが出会い、恋に落ちるところから始まります。しかし、幸福な日々はそう長くは続きませんでした。実は二人の恋は寄生虫によってもたらされたものだったからです。
 私は性格も全く違う二人が支えあいながら、潔癖症と視線恐怖症のリハビリをするシーンを読んで、価値観やとらえ方は人それぞれ違うものだけれど、それを他人に押し付けたり無理に他人に合わせる必要はないんだと学びました。
 SNSが普及して価値観の押し付け合いが後を絶たない現代で、より多くの人に読んでもらいたい作品です。

おススメ本Ⅵ

「教室に並んだ背表紙」相沢沙呼著

2023年10月11日 09時35分

 学校図書館を舞台に、先生と学生たちの優しい物語です。
 学校で辛い気持ちを抱えている人には特に響くかも。本を通して勇気をもらったり自分を少しずつ好きになれたり…。窮屈な世界が少しずつ拓(ひら)けていきます。素敵な大人になれそうな予感。6人の少女たちを繊細に描く連作短編集。
 ミステリー作家だけあって、ラストのタネ明かしはさすが!