校長からみなさまへ

なんや、見えとんのか!

2026年3月27日 11時55分

 この度の人事異動で本校を転出することになりました。そこで、2年前に本校に赴任した年度当初の校内研修で聞いたことで、悲しすぎてこのコーナーに書くことをずっとためらっていたことを書きます。視覚障害者といえば、一般の人の多くは全く見えない「全盲」の人を思い浮かべると思います。ところが実際は、視覚障害者の8割くらいが見えにくさを抱えている「弱視」の人です。弱視の人の見え方は様々で、見えている範囲(視野)が狭かったり、視野全体に霧がかかったように見えたりと人によって異なります。遠くは全く見えないが近くの物はぼんやりと見えるような人も、安全に歩くためには白杖が必要です。そんな人に向かって自転車に乗った人が近づいてくる場合、弱視の方はぶつかると思うくらい自転車が近くに来て初めて気が付くことになります。自転車をよけようと車道側に動いたとき、自転車の方も車道側によけるつもりでいたとします。そうするとぶつかりそうになるわけです。そんなときに、心無い人が「なんや、見えとんのか!(あんたが動くからぶつかりそうになったでないか)」と怒鳴る場合もあるようです。このようなケースがあるために、本当は白杖を使って歩いた方が安全なのに、白杖を持ちたがらない弱視の方がいるということを聞きました。視覚障害者についての基本的な理解が、広く一般に浸透していないための悲劇です。このようなことが少しでもなくなることを願って、本校を離れても理解啓発の力になればと思っています。