教育相談の内容

教育相談では、次のようなことを行っています。
 ・視力や視機能の教育的評価
 ・目の動きや使い方の教育的評価
 ・適した視覚補助具(遠用弱視レンズ(単眼鏡等)・近用弱視レンズ(ルーペ等))の選定
 ・拡大教科書に関する情報提供や、見え方に適した文字の大きさの選定
 ・小中学校等での見やすい環境の整備
 ・弱視学級での補助具の指導方法に関する支援

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個別相談

一人一人の見え方に合った「見やすくするための工夫」や「使いやすい用具」「支援機器の活用方法」など、視覚に関する様々な教育相談に対応します。
個別相談は、来校による相談を基本としています。

たとえば、このような相談をお受けしています。
 □細かい違いの見分けが難しく、読み(漢字)・書きが定着しない
 □地図を読み取るのが苦手
 □図や目盛りなどの教科書の細かい部分が見えにくい
 □細かい作業、書写に時間がかかる
 □視覚支援機器の使い方や自分に合った学習方法を身に付けたい
 □光がとてもまぶしくて見えづらい
 □見える範囲が狭くて、テストで時間が足りない

相談例

〇黒板や教科書、定規の目盛りなどが小さくて見えにくい。
 →見え方に合わせ、黒板を見るための道具(単眼鏡)等や大きな文字の拡大教科書、見やすい定規をご紹介します。

〇遠用弱視レンズ(単眼鏡等)・近用弱視レンズ(ルーペ等)・拡大読書器・タブレット端末・拡大教科書などを使って見やすくしたい。
 →遠く(黒板等)を見る遠用弱視レンズ(単眼鏡等)、教科書やプリントの文字を拡大する近用弱視レンズ(ルーペ等)や拡大読書器等の補助具のサンプルがあります。実際に手にして試すことができます。タブレット端末の便利な視覚補助アプリについても情報提供します。

〇高校入試や大学入試の配慮事項について、どのようにすればよいのか知りたい。
 →入試でどのような配慮事項を受けることができるか、配慮事項を受けるために学校で取り組んでおくことやその時期等について情報提供を行います。また、見え方に合わせた配慮事項について提案を行います。
 
〇新年度、担任が変わったときの引継ぎがスムーズにできるようにしたい。
 →担任の先生と視覚支援学校担当者で『学びの軌跡』(引継ぎシート)をつくります。 
A4表裏2枚で、年度初めの忙しい時期でも児童生徒の指導に必要な学習内容や経過、配慮事項について引継ぎがスムーズに行えます。また、進級だけでなく、進学の際にも切れ目ない支援のツールになります。

学びの軌跡様式.pdf 
 
〇弱視児童生徒が入学するに当たり、どのような環境整備をすればよいのか知りたい。

 →見え方にあった教室や校内の環境整備や座席の配慮、授業での配慮点、必要な支援機器等の提案を行います。

〇プリントやテスト作成時の配慮
 →読みやすい字体や文字の大きさ、図や写真などの情報の出し方や時間延長などについて情報提供を行います

相談の申込

・随時受け付けています。まずはお電話かメールでご連絡ください
・電話受付及び相談時間は、平日午前9時から午後4時50分までです。
・相談は対象のお子さんと保護者の方の来校を基本としています。保護者の同意のもと、学校の先生方に同席していただいてもかまいません。
・相談時間の目安はおよそ1時間です。内容により、視覚認知に関わる評価を行う場合は2時間程度かかります。

サマースクール

県内の見えにくさのある児童生徒を対象としたサマースクールを夏休みに開催しています。
先輩の受験や就職活動などの体験談を聞いたり、体験型学習などの活動を行ったりしながら他校に通う児童生徒との交流を図ることができます。

過去のサマースクール一覧.pdf

学校等訪問による支援

常時弱視教育が必要な弱視児については、在籍校との連携のもと、弱視学級や弱視児の在籍する通常学級に視覚支援学校職員が訪問して支援を行います。
訪問支援を希望される学校の先生方は、まずお問合せをお願いします。

学校等への訪問支援を行うのは、次のような場合等です。
・個別相談で視力が弱いことが分かり、学習環境の整備が必要だと考えられる場合
・個別相談で特別支援学級での自立活動で視覚の実態に合わせた指導の必要性がある場合
・見え方の個別相談を進めたい対象児生徒が在籍校には登校できるが、視覚支援学校へ来校することが難しい場合

かがわロービジョン研修会

県内の弱視教育に携わる先生方を対象とした研修会をおおむね年間2回実施しており、関係各校に案内を送付しています。内容によっては児童生徒・保護者にもご案内しています。
関係機関と連携しながら情報交換なども行うことができます。

R7第1回かがわロービジョン研修会(ご案内).pdf
過去のかがわロービジョン研修会.pdf

補助具について

単眼鏡

遠く(黒板等)を見る補助具です。様々な倍率のものがあります。
児童(生徒)集会や校外学習の見学等、習熟すると様々な場面で活用することができます。

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ルーペ類

近く(手元)を正確にみるために使う補助具です。
教科書やプリントの小さい文字や図、辞書、漢字のルビ、地図、観察などに活用することができます。

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手持ち型ライト付きルーペ 携帯型ルーペ
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バールーペ スタンドルーペ

拡大読書器

台に置いた本などの内容を大きく映し出すことができます。
普通の本を白黒反転表示させることもできます。

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書見台

無理のない姿勢で見やすい距離まで近づいて、読み書きするために使用します。
マグネットを使えるタイプもあり、プリント等を固定することもできます。
持ち運びができるので、特別教室でも使用できます。

image014 ※写真は角度調節が可能な書見台

読みだけでなく、書き込みでも使用できます。

書見台を使わないと・・・

image015 教科書に目を近づけて見るため、机に伏せるような姿勢になり、首や肩に負担がかかります。

書見台を使うと・・・

image016 読む面が近づくため、姿勢を保ちながら見ることができ、明るさも確保できます。

書見台の使用例

書面台使い方 画像

タブレット端末

次のような使い方ができます。

 ① 遠くにあるものの写真を撮って画面上で拡大して見る。

 ② 小さいものを拡大して見る。(理科の実験や観察等)

 ③ PDFなどの画像ファイルや、テキスト情報を取り込み、ブラウザアプリで開いて調整しながら読む。

 ④ 板書を写真で撮り、視写の負担を軽減する。

UDブラウザ

弱視児童生徒が教科書を閲覧するのに適したアプリ (iPadのみ対応) です。

<主な機能>

(1)リフローモード … 読みに特化したモードです。

 

白黒反転、行間、フォントなど視覚の状態に応じた設定で文字を表示することができます。

フォントの設定を自分で行うことで、他者に支援を依頼するとき具体的に伝えられるようになります。

(2)拡大表示 … 見えにくい部分を拡大して閲覧することができます。

 

等倍表示は周囲の児童生徒と同じレイアウトであるため、該当箇所の検索が容易になります。併せて、指導者が「〇ページ左上の表を見て」等と具体的な指示を聞いて、ページ全体の位置を把握した後、見たいところをピンチアウトして適切な大きさに拡大することで学習効果が高まります。

(3)ページジャンプ機能 … 指定したページにジャンプ可能

拡大教科書では、レイアウトが違ったり、1ページが何ページにも分かれたりしているため、指示されたページを探すのが大変でしたが、この機能を使うと「教科書〇ページ開いて!」という指示に瞬時に対応できます。

(4)書き込み・ラインマーカー機能…重要な場所に色付けしたり、メモの書き込みをしたりできます。

書き込みをしたページは一覧で見ることができます。

(5)しおり機能(付箋)・・・重要なページに付箋を付けておき、一覧で表示することができます。

(6)自作教材を取り込んで利用()の取り込み(PDF・Word・HTMLの閲覧に利用可能)

(7)設定によりUDブラウザ以外のアプリの使用が制限できるので、試験でも使えます。

 大学入試や高校入試でも合理的配慮申請により利用された事例があります。

 (在籍する中学校や高校で行われる試験での使用実績は必要です。)

※スタンドと併用すると効率が上がる場面もあります。

スタンド併用画像

UDブラウザ紹介ページ

連絡先

〒760-0013 香川県高松市扇町2丁目9番12号
TEL:087-851-3217
FAX:087-851-3289

E-mail:shikaku-s01@kagawa-edu.jp