校長からみなさまへ

校長からみなさまへ

2021年4月13日 11時00分

香川県立盲学校のWebサイト(ホームページ)をご覧いただき、ありがとうございます。

<校長挨拶>

 41日に盲学校第29代校長として着任いたしました。本校は、明治41年の創立以来、113年という長い歴史と伝統があります。歴代校長の取組を継承し、本校の更なる発展に尽力したいと考えています。

 さて、46日に11名の児童生徒が出席して始業式を、47日の入学式では5名の新入生を迎え、全校生徒16名で令和3年度の盲学校が始まりました。本校の校訓である「報恩、自立自営、反省」にあるように、自然や人にお返しができ、自然や社会の一員としての役割を果たし、自分の行動を振り返りそれを生かし実行ができるよう幼児児童生徒を育成していきます。

 本校は県下唯一の視覚障害者のための特別支援学校として、専門性を発揮し、関係機関と協力しながら教育を行っています。ICT機器を使った視覚障害教育の充実、寄宿舎生活をとおした社会自立への支援、『見えにくさと学びの相談センター』を設置し視覚障害教育のセンター的役割を果たす教育相談・指導支援の充実を図ることなどに取り組んでまいります。

 本校の児童生徒が自立を目指して勉学に励むよう支援していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

<香川県立盲学校について>

 香川県立盲学校は、明治41年4月に私立香川県盲唖学校として開校し、大正11年、現在の敷地に校舎が落成しました。大正13年には県立に移管され、香川県立盲学校・聾唖学校の名称で発足し、昭和23年には新学制に基づき、香川県立盲学校と香川県立聾学校に分離されました。昭和29年に聾学校が高松市太田上町(現在の聾学校の場所)に移転するまで、同じ敷地内に盲学校と聾学校が併置されていました。今年で開校113年、盲学校単独校になってから73年の歴史と伝統のある学校です。

 本校は、香川県下で唯一の視覚に障害のある子どもや成人の方のための学校です。学部としては幼稚部、小学部、中学部、高等部があり、高等部には普通科と保健理療科、専攻科理療科があります。令和3年度は幼稚部には在籍者はなく、小学部から専攻科までの児童生徒数は16名です。

 視覚障害についてですが、一般的には盲学校の「盲」という言葉から、全く目が見えない生徒が学んでいるというイメージを持たれているかもしれません。視覚障害者には、矯正視力が0.3未満の弱視者と0.04未満の全盲者がおり、視覚障害者全体では弱視者が8割程度と言われています。弱視であっても見え方は様々で、学校では一人一人の見え方に応じて工夫を凝らした学習に取り組んでいます。また、全盲の生徒はもちろんですが、弱視の生徒も移動のための歩行訓練や日常生活の訓練にも取り組んでいます。「見えない、見えにくい」幼児児童生徒一人一人に配慮した、専門性の高い教育を実践することで、一人一人の願いがかなう学校をめざしています。

また、本校は職業教育にも力を入れており、あん摩マッサージ指圧師をめざす保健理療科、あん摩マッサージ指圧師に加え、(はり)()(きゅう)()めざ理療科があります。年間勉強して卒業しますと、それぞれの国家試験受験資格が得られます。これまでも多くの卒業生が、あん摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師として自分の夢をかなえ、社会で大いに活躍しています。

加えて、視覚障害教育のセンター機能を果たすため「見えにくさと学びの相談センター」を設置して、香川県内の視覚障害のある乳幼児から成人まで、またその保護者の相談に対応するとともに、県内各学校園にも本校教員を派遣して学習支援等にも取り組んでいます。本校独自の研修会も開催しています。見え方に困難を抱えており、将来について迷っている方、悩んでいる方は、ぜひ本校にご連絡、そしてご来校ください。お知り合いで、そのような方がいらっしゃいましたら、どうぞ本校のことをご紹介いただければと思います。

「自分の願いがかなう」学校をめざして、教職員一同、保護者、地域、関係機関とのつながりを一層深めていきます。今後とも、本校の教育活動にご理解とご協力、ご支援を賜りますようお願いいたします。

  
                       令和3年4月     
                        香川県立盲学校長 吉田 稔