第1回  チーモの「メロンの袋がけ」

6月中旬のある日、チーモは野菜部門の専攻生の実習を見学に来ました。

チーモ「先生、よろしくお願いします。今日はどんな作業をするのですか?」
先生「今日はメロンの袋がけをします」

ということで、専攻生たちに今日の作業の指示がありました。専攻生はその指示をよく聞いて作業に取りかかります。

先生「今日はメロンの袋がけをします。温室のメロンが大きくなってきているので、今日中に終わらせるつもりで急いで作業を進めてください。そっちの4人は新聞紙でメロンに掛ける袋を作って下さい。残りの人は、さっき作った袋を持って温室に入ってください。」

ということで、チーモはメロンに掛ける袋作りの作業の様子を見に行きました。新聞紙を正方形に切り、一箇所だけ切れ目を入れたものをたくさん作ります。

            

チーモ「なるほど、これが袋になるんだな‥」

次にミーモはメロンの温室の中に入っていきました。中では先生が専攻生に作業の説明をしていました。

先生「みんな、メロンでもキュウリでも、見た目がきれいなものじゃないと売り物にならないことは知っていますよね。今日する作業には見た目がよいメロンを作るために必要な作業です。今日の作業の目的の一つめは『傷がつかないようにすること』です。メロンの果皮が葉っぱにこすれて傷がつくのを新聞紙の袋で防ぐんですね。二つめは『除虫』です。ナシなどの袋には除虫のための薬がついています。今回は新聞紙なので、『除虫』の効果は弱いですが、それでも、少しはあります。三つめは、これが一番大事なのですが、『日よけ』です。高級なメロンは網目がしっかり入っていて色が白いことが大事です。見た目が美しいメロンを作るために今日は丁寧に作業してください。早く作業することも大事ですが、ツメでメロンに傷を付けないように気をつけて作業をして下さい。」

                  

先生は説明をしながら、手前のメロンに袋を掛けました。専攻生たちは先生がやったのと同じ手順で、メロンに新聞紙を掛けると、端のところをホッチキスで2箇所留めていきます。

チーモ「メロンの温室の中は暑いなあ。」

専攻生「トマトのハウスの方がもっと暑いよ。ミーモ、頑張って。」

専攻生たちの頑張りもあって、約300個のメロンに袋を掛け終えることができました。

チーモ「ふぅ、疲れた。」

先生「今日は蒸し暑いから、水を飲んで。少し休憩してから次の作業をしましょう。」

そんなことを話していると、ナスの畑に肥料をやりに行っていた専攻生が一輪車を押して帰ってきました。みんな暑そうなので、少し休憩してから次の作業です。

先生「では、次はハウスの中にある育苗箱の水洗いとキュウリの収穫をします」

チーモは専攻生がキュウリのハウスに行くのについていきました。

チーモ「このハウスも野菜部門のハウスなの?」

専攻生「そうだよ。ここではキュウリとトマトを作っているんだよ。」

専攻生は大きくなったキュウリをハサミを使って収穫していきます。それを野菜部門の管理室に持って帰ると、ハカリで400グラムずつ量って袋詰めしていきます。

    

チーモ「キュウリにトマトにナスにメロン‥野菜部門は、いくつもの野菜を同時に育てているから、初夏がいちばん忙しいみたいだなぁ。」

チーモは、初夏の蒸し暑さにも負けず、元気に作業する三年生の専攻生はすごいなぁと思いました。

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