第16回 ミーモの「焼き肉のたれ」作り
10月も終わりに近づいてきました。
いつもの年であれば、農経高校では収穫感謝祭が行われている頃です。
農経生のみんなと鉄板を囲み、養豚部門の「オリーブ豚」を焼いて
食農科学科Ⅲ類名物「焼き肉のたれ」につけ、作物部門の「こしひかり」の炊きたてご飯にのせて……
ミーモは急に焼き肉のたれが恋しくなりました。
今日はⅢ類に行って農経高校名物の「焼き肉のたれ」の作り方を見学してみようと思います。
ということで、まずは加工服に着替え加工室の『畜産加工室』に入りました。
テーブルの上には今日使う材料がずらーっと並んでいます。
休み時間の間に、専攻生がミキサーの準備をしています。
Ⅲ類の専攻生がそろったところで、あいさつをして今日の作業の説明がありました。
先生「それでは今日は焼き肉のたれを作ります。作り方はいつもの通りです。では、ミキサーの係は〇〇君と△△君。あと、そっちの3人でリンゴをむいて、…あとの2人はショウガをむいて刻んでください。」
ミーモ「今日は、どのぐらいの量のたれを作るんですか?」
先生「今日はこれだけの材料でお鍋2杯分、焼き肉のたれのボトルで120本ほど作ります。作り方はそれほど難しくはありません。材料を刻んで、ミキサーにかけて混ぜるだけです。」
ミーモ「大きい鍋だなぁ。材料はここにあるもので全部ですか?隠し味とかは…企業秘密ですか?」
先生「材料はここにあるもので全部です。ラベルに『原材料名』を書くからねぇ。隠し味は入れないなぁ。」
材料はタマネギ、リンゴ、ショウガ、ニンニク、味噌、醤油、砂糖、みりん、ケチャップ、水飴、ハチミツ、ごま油、こしょう、一味唐辛子、白ゴマです。分量が少し変わることはありますが、だいたいいつもこれらの材料で作るそうです。
テーブルでは専攻生がリンゴやショウガの皮をむいて、刻んでいます。
刻んだ材料はミキサーにかけて細かくします。ミキサーが動きやすいように醤油と混ぜて細かくします。
ミーモ「材料は農経産ですか?」
先生「全部ではないけど、タマネギは苗を野菜部門からもらって、Ⅲ類の畑で育てています。ニンニクも農経産で、味噌はⅠ類の赤味噌を使います。」
タマネギ、リンゴ、ニンニク、ショウガは、刻んでミキサーにかけ、細かくしてから鍋に入れていきます。
味噌とみりんはボールで混ぜて、それをミキサーにかけて滑らかにします。
ボールに付いた赤味噌をゴムべらでこそげ、余すことなく鍋に入れます。
ミキサーで細かく滑らかにした材料をすべて入れたら、ケチャップ、水飴、ハチミツ、砂糖などを加えます。
全ての材料を鍋に入れたら鍋をガスにかけて加熱します。
ミーモ「やっぱり大量に作るとおいしそうだなぁ。これから煮込んでいくのですか?」
先生「煮込むというより、殺菌するために加熱します。殺菌は『65度以上で30分』がきまりなので、85度まで加熱し、冷ましていきます。」
ミーモ「なるほど、鍋が大きいから冷めるまでに30分以上はかかるんだね。」
先生「そうです。温度を測りながらゆっくり加熱して85度になったら火を止めて冷まします。」
鍋にコショウと唐辛子と白ゴマを入れます。粉末の調味料が「だま」にならないようにゆっくりかき混ぜ、ひとりは温度計を見ながら加熱していきます。最後にごま油を入れ、材料になじむようによく混ぜます。ちなみに、今日使ったごま油はK社の小豆島工場で作られたごま油です。
加熱するにつれ、農経産のたれのにおいが漂います。
鍋の加熱をしている間に、他の専攻生は使った器具を洗って片付けていきます。包丁やまな板は殺菌庫に入れて殺菌と乾燥を行います。
予定していた作業が2時間で終わりました。
今日作った焼き肉のたれは冷めたらボトルに入れ、ラベルを貼って農経祭で販売するそうです。
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