真夏の当番実習編② チーモの「柿の摘果」
今日も農経生が夏休みの当番実習にやって来ました。
今日はチーモが果樹部門に行って、実習当番の作業をやってみます。
まずは農場本部横に集合して今日の作業の説明です。
先生「それでは、今日は男子と女子に別れて作業します。女子はブドウの作業。一年生の男子は農場正門横の柿の木の下の除草。男子は運動場横の柿の摘果を行います。それでは、各自持ち場に移動して下さい。」
チーモ「そろそろブドウは収穫するのかな。でも柿の摘果が気になるなぁ。よし、今日は2年生の男子と一緒に柿の摘果をやってみよう」
チーモは柿の摘果用のハサミを持って、2年生の男子と一緒に運動場横の柿園に移動しました。
柿園につくと、果樹の先生が今日の摘果のやり方を教えてくれました。
先生「今日は摘果の作業をします。これまでに、花のつぼみの段階で「摘蕾」を行っているので、それぞれの枝にはだいたい2つぐらいの実がついています。干し柿用の柿は実が小さく、干すことで甘みが増すので1本の枝に2個の実を残すのですが、ここの柿は少し大きいので1本の枝に1つの実を残します。この状態で収穫まで育てるので、摘果は今回が最後です。」
チーモ「要するに、1つの枝に1つ残す、ってこと?」
先生「単純に1つ残す、ってことではありません。この枝で説明します」
そういうと、先生は近くの木の手頃な枝を手にとって生徒に説明を始めました。
先生「基本的に残すのは大きくて形のいい実です。小さいもの、丸くないもの、傷が入っているものなどは今回の摘果で切り落とします。あと、上向きについている実で、日に当たりすぎて変色しているものは、形がよくて大きくても摘果して下さい。この枝だったら、どれとどれを摘果したらいいか分かりますか」
二年生「まずは、上向きのこの実かなぁ。あとの実は、大きさは同じぐらいだし、形もいいし‥」
先生「この実は形はいいけど、大きくなったら隣の実に当たって、隣の実の生長を妨げます。だから、こんな感じで摘果して下さい」
そういって先生は「パチン、パチン」と二個の実を切り落としました。
先生「下の方の実は、手を伸ばして切ります。高くて手が届かないときは脚立を使って下さい。それでは、作業にかかって下さい。」
チーモも先生に聞きながら作業を始めました。柿園にはたくさんの柿の木があるので、全ての木の摘果をするのは大変そうです。
チーモ「上の方は日当たりがいいから変色が始まっているなぁ。‥あ、こっちの実はおしりみたいな形だ!」
先生「それも出荷できないから摘果します。虫がついていたり、傷がついているものもあるから、よくみて摘果してね。」
この日は午前中から陽射しがきつく、果樹園も蒸し暑くなってきました。
先生「それでは休憩しましょう。今作業している木の下に脚立を置いて、どの木で作業していたか分かるようにして下さい。」
チーモが休憩するために果樹部門の管理室に戻ると、女子がブドウの作業をしていました。農場の入口付近では1年生が柿の木の下の掃除をしています。
休憩が終わると、引き続き摘果の作業を開始します
チーモ「この木は脚立に乗って作業するのにちょうどいい高さですね。」
先生「30年以上前にこの木を植えた人が、今の形に成長するように木の枝の形を整えてくれたから、今こうして作業できるんだよ。」
チーモ「そう考えると、すごいなぁ。私たちは30年以上前の人が植えてくれた柿の木で果樹の勉強をして、その実を食べているんだなぁ。」
柿の木にはセミがたくさん止まって鳴いています。他にもチョウやカエルなど、自然の生き物がたくさんいてにぎやかです。
この日はお昼頃まで作業をして当番実習を修了しました。
柿の摘果はあと1週間ほど続きます。チーモは今年の柿の収穫が楽しみになりました。
Back