春の実習当番編③ 「トウモロコシの播種&定植」

春休みの3日目は雨が降っています。

今日はチーモが農経の初夏の味覚『トウモロコシ』の播種と定植を見学するために
食農科学科Ⅰ類の南農場にやってきました。


農場本部での点呼の後、今日のⅠ類の当番生徒は歩いて南農場に移動してきます。

南農場に着くと、管理室の前で先生から今日の作業の説明がありました。


 
先生「それでは、今日はハウスに植えるトウモロコシの定植の準備と、路地に植えるトウモロコシの播種を行います。じゃぁ、○○君は播種をしてください。▲▲さんと□□さんはハウスに行って定植の準備をします。それでは各自持ち場について先生の指示に従ってください。」

チーモ「さて、まずはハウスに行ってトウモロコシの定植の作業を見てみようかな。」


ハウスに行くと、ハウス内には三本の畝(=うね)があり、銀色のマルチがかけられています。

先生「それでは、まずマルチカッターで苗を植える穴を開けていきます。マルチのちょうど中心にホースが入ってるのが分かるかなぁ?この線に合わせてメジャーを固定します。そして、そのメジャーを見ながら、株間40センチでマルチに穴を開けます。条間は現場合わせ、植え方は『千鳥(=互い違いに植えるやり方)』です。」

 

    

2年生2人がメジャーを見ながらマルチカッターで40センチ間隔で穴を開けていきます。1人はメジャーの「40センチ→80センチ→120センチ…」のところ、もう1人は「60センチ→100センチ→140センチ」のところに開けます。「株間」は「株と株の間隔」で「条間」は「列の間隔」です。「千鳥」というのは隣の列のトウモロコシと葉が重なり合わないように互い違いに植える植え方です。

先生「時々横を見て、自分が開けた穴が曲がってないか確認しなさい。▲▲さん、だんだん真ん中に寄ってるよ!なるべくマルチの外側の方に穴を開けるように意識しなさい!」

そうして、2年生が穴を開け終えると、先生が畝の土の状態を確認しました。まだ少し土が乾燥しているようだったので、中央のパイプに水を通して灌水します。灌水が終わって、しばらく待ってから、土に水がしみこんでいるか確認します。

   
    

先生「もう少し土に水分を含ませたいなぁ。」

先生は今度は天井の灌水機を稼働して上から3分ぐらい灌水を行いました。

水が大分含まれたので、「パカパカ」で苗を置けるように泥をのけます。

先生「今日はこのぐらいで様子を見て、定植は明日にすることにしましょう。」



同じ頃、管理室の前では2年生がトウモロコシの播種をしています。

 

 
  
  
まずはトレーに土を入れ、マスの中心のところをくぼませます。そこにトウモロコシの種をまいていくのですが…

先生「ここに、一晩水につけた種があるから、まずは浮いている種を取り出して横によけておいてください。」

チーモ「この水は塩水ですか?」

先生「いや、塩水ではありません。今回ちょっとためしに実験しようと思って、浮いた種と沈んだ種を分けて植えてみて、その成長の違いを見てみます。」

2年生「先生、浮いているのをのけました。」

先生「では、沈んでいるトウモロコシを端から植えて行ってください。」

2年生は注意しながら1マスに一つずつ種を植えていきます。

先生「では、沈んでいるのを植えたら、次に浮いていた種を植えます。どこが境目か覚えておいてくださいね。後でわかりやすいように印をつけます。」

 


トレーに印をつけたら覆土(ふくど=種の上に土をかぶせること)して、作業完了です。


次は路地に植える苗の鉢上げです。

トレーに植えてしばらくたって葉が2~3枚になった苗を今度はポットに移して生長させます。

先生「トレーから苗を抜く時に、根っこを傷つけないように気をつけてください。小さい苗は後回しにして、大きい苗を先に鉢上げしてください。できたものは軽トラに乗せてください。」

管理室横の倉庫にはいつでも苗を植えられるように土の入ったポットが何ケースも準備されています。それを作業机の上に並べ、ポットの真ん中に苗を置く穴を開けます。そしてトレーの苗を一株ずつおいて根元に土をかけ、軽く押さえて固定します。できた苗のポットは軽トラの荷台に載せ、万塚農場の育苗ハウスに運んで、定植できる大きさになるまで育てます。

 

    

 

 

 


鉢上げが終わったら、その日に使った道具を洗って片付けて実習終了です。


  
先生「今日はお疲れ様でした。明日はハウスに苗を定植するので、また見に来てくださいね。」

チーモ「はーい。」



【翌日】
先生「それでは、トウモロコシの苗をハウスに定植していきます。みんなでハウスに移動しますよ。」
 
 

    

 

先生「茎の根元をこんなふうに持って、…根っこを切らないように注意しながら、苗をポットから丁寧に土ごと取り出してください。そして、この穴の中に置いて…二枚目の葉っぱがあるのがわかりますか?…ここです。ここに実ができるからこの葉が列の外側に向くように…こんな感じで植えてください。そして、横にのけている土を手でほぐして細かくして…周りにかけてあげたら、…これで完成です。」

先生は目の前で苗を植えながら、ゆっくり細かく生徒に指示しました。みんなはそれを見て、各自持ち場に移動してそれぞれ苗を植えていきます。しばらくして定植が終わると、灌水をして次の作業は路地の畝の準備です。


チーモ「この苗が大きくなって、トウモロコシが収穫できるのはいつ頃ですか?」

先生「この種は82~83日で収穫です。播種が2/26日で、定植が3/26なので、収穫は5/18頃ですね。」

チーモ「日数は大体正確なんですか?」

先生「そうですね。このトウモロコシも82~83日で食べ頃になるはずです。」

チーモ「時計もカレンダーも持ってないのに、トウモロコシには何で日数が正確に分かるのか、本当に不思議です。これからも南農場のハウスにトウモロコシの様子を見に来なくちゃいけないなぁ。」

チーモはトウモロコシを食べられる日が来るのが楽しみになりました。




                                                     

                                                                   (こんな感じかなぁ…♪ byチーモ)






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