校長からみなさまへ

舌読(ぜつどく)

2024年8月30日 13時30分

 8月28日(水)に、本校の教員、生徒、保護者の希望者と一緒に、国立ハンセン病療養所である大島清松園に行ってきました。自治会長さんの講話を聞いたり、社会交流館の展示を見たり、施設を見学させていただきました。参加者は、理不尽な隔離政策と言葉では言い尽くせない厳しい生活実態等について、初めて知ったり、再認識したりしたものと思います。展示資料の中に、本校にもある点字を書くための道具がありました。ハンセン病になると、手足の末梢神経の麻痺の他に、失明することがあるからです。失明して指先の神経が麻痺している場合、指先で点字を読むことができません。その場合、舌先で点字を読む(舌読)のです。読めるようになるまでには、何度も出血するなど、大変な苦労があったようです。「何もそこまでしなくても…」と思いましたか?健常者のみなさんは、スマホの画面から様々な情報を得たり、自分の感じたことを文字にして他の人に伝えていると思います。そんなことができなくなった自分を仮定し、舌読をしている人の気持ちを想像してみてください。