校長からみなさまへ

校長からみなさまへ

2020年4月20日 14時12分

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 <臨時休業の延長について>

幼児児童生徒・保護者のみなさまへ

4月20日(月)、県教委より臨時休業期間延長の通知がありました。4月24日までとなっていた臨時休業の予定が、5月8日(金)まで延長となりました。何とか2週間で臨時休業が終わり、幼児児童生徒の明るい笑顔と元気な声が戻ってきてほしいと祈っていましたが、願いはかないませんでした。この社会情勢から判断すると仕方がないと言えばそれまでですが、やはり残念でやりきれない気持ちです。

本県の状況については、皆さまもよくご存じとは思いますが、感染の拡がりが下火に向かうといった感じはありません。新型コロナウイルスの正体がよく分からないことに加え、感染経路が不明である事例が多くなっていることが、不安への拍車をかけているように思います。

人は不安になるとストレスを感じ、またストレスを感じると不安になり、その不安やストレスを何かの形で解消しようと自己防衛本能が働くといわれています。これが過剰になると、自分を守るためという名目で相手への思いやりの心が薄れてしまい、自分勝手な行動をしたり、周囲の人を非難し攻撃したりすることで、不安やストレスから逃れようとします。いま命を懸けて仕事をしている医療関係者の子どもたちが誤った偏見をもたれ、差別的な言動を受けていることなどが報じられていますが、これはまさにその典型ではないでしょうか。自分の心にそのような思いがないか、そのような行動をとっていないか、私自身も自己点検をしなければと思っています。

4月14日の朝日新聞朝刊に、絵本作家の五味太郎さんが『休校はチャンスだぞ』という標題で、新型コロナウイルスで休校になっている子どもたちへのメッセージが寄稿されていました。そのなかで、このようなことが書かれていました。

「心っていう漢字って、パラパラしてていいと思わない?先人の感性はキュートだな。心は乱れて当たり前。常に揺れ動いて変わる。不安定だからこそよく考える。もっと言えば、不安とか不安定こそが生きていることじゃないかな。」

なるほど、と思いました。とは言え、いまはこれまで経験したことがない不安や不安定を感じている状況です。でもこの状況だから気づくこと、考えること、今までの枠組みに対して別の角度から焦点を当ててみること、そして、いま一度自分を見つめ直してみること。自宅に居てもできることはたくさんあります。どうぞ十分に体調を管理していただき、5月1日の登校日にお会いできればうれしいです。

 

令和2年4月20日

香川県立盲学校長 田中 豊