校長からみなさまへ

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2020年6月30日 15時13分

 

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<令和2年度 香川ロービジョンケア推進委員会に参加しました>

 

昨日6月29日の午後8時から、香川ロービジョンケア推進委員会が開催され、本校高等部主事と二人で参加しました。会場はそれぞれの自宅。そうです、ZOOMを使ったリモート会議でした。昨年は、かがわ総合リハビリテーションセンターの会議室でしたが、今年は感染症拡大防止のため、各々の自宅または職場からの参加となりました。

この推進委員会ですが、平成27年3月に、「香川スマートサイト推進委員会」として県内眼科医が中心となって発足し、同月、第1回の会議が開かれました。「スマートサイト」とは、視覚障害があるためリハビリテーションが必要な人々を、それぞれのニーズに対応できる専門機関に確実につなぐための仕組み、ツールです。2005年にアメリカ眼科学会で始まったインターネットを活用した情報提供の取組で、視覚障害者が利用可能な支援を行っている機関のサイト等を紹介するサイトとして始まったようです。日本では、2010H22)年に兵庫県眼科医会が「スマートサイト」を立ち上げたのを最初に、各都道府県に普及していったとのこと。目に異常を感じた人や見えにくい状態になった人は必ず眼科を訪れます。その際、眼疾等の診断と治療をするだけでなく、患者さんへのリハビリテーション(ロービジョンケアと言います)についての情報や福祉・行政等のサービスを適切に伝えることができれば、視覚障害者の生活の質の向上にどれだけ役に立つか、関係機関の連携を見直し、さらに深めていこうという視点から本県でも組織化されました。

本校も第1回の会議から参加させてもらい、今年度で6年目となります。平成30年度より会の名称を「香川ロービジョンケア推進委員会」に改称し現在に至っています。啓発のためのリーフレットの第一版は、2016H28)年の4月に完成し、〝よつばネットかがわ“として県内の眼科や視覚障害福祉センター、障害福祉相談所、そして本校など視覚障害に関わる機関に配布されました。

さて、昨日の出席者は16名で、香川県眼科医会会長さんを始め眼科医の先生が9名、視能訓練士の方が3名、歩行訓練士であり視覚障害者福祉センター職員の方が1名、視覚障害者福祉センターの館長さん、そして本校の2名でした。本校からは、今年度「見えにくさと学びの相談センター」が対外的に行う地域支援等に係る主な行事について説明し、簡単にコロナ禍における学校の様子なども報告させていただきました。

今回の会議の主な目的は、〝よつばネットかがわ“リーフレットの第二版作成についてでしたが、やはり話題の中心は、コロナ禍による自粛と政府が提唱する「新しい生活様式」がもたらす視覚障害者の困り感についてでした。新しい生活様式が杓子定規に取り入れられると、視覚障害者にとって生きづらい世の中になります。スーパーに買い物に行っても、今までは商品を手に取って確認していたが、それがしづらい雰囲気。スーパーでソーシャルディスタンスを取る方法としてカートを押すようにしたが、他の人にぶつけてしまうことがあるので困っている。100円ショップでは、コロナ対策のため従業員にはできるだけ話しかけないようにとのアナウンスが流れているなど、視覚障害者の生の声を各委員さんから聞かせていただきました。大変勉強になるなあと感心するとともに、自分の感性のなさを痛感しました。日常生活の中でなぜと疑問に思うこと、感じる心を絶えず磨く努力がまだまだ足りないと思いました。

第一版のリーフレットの改訂については、まだ余部が結構あることから、令和4年4月の発行を目指して編集作業に取り掛かることとなりましたが、これからの時勢に合わせた内容も盛り込む必要があるとの意見もありました。

最後に、眼科医会会長さんから日本眼科医会のロービジョンケアサイトの紹介がありました。関心のある方は
https://low-vision.jp/ にぜひアクセスしてみてください。

 

令和2年6月30

香川県立盲学校長 田中 豊