校長からみなさまへ

校長からみなさまへ

2020年8月24日 14時13分

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<第2学期が始まりました>

 

8月24日(月)、始業式が行われ、2学期がスタートしました。3週間という短い夏休みでしたが、幼児児童生徒のみなさんも健康に毎日を過ごすことができたようで、全員の元気な顔を見ることができ、とてもうれしかったです。

始業式では、連日続く猛暑について話をした後、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」という諺を引き合いに、校訓の一つである「報恩」についての話をしました。

今年は、7月末にようやく梅雨が明けたと思った途端、連日30℃を超える真夏日になりました。夏休み中の3週間、高松では35℃を超える猛暑日が12日もありました。最高気温は8月17日の38.3℃、体温だったら即病院へという気温でした。この気温は高松の過去最高の気温かも、と調べてみると、2013(平成25)年8月11日に38.6度という記録がありました。今から7年前の夏のこと、そういえば息子のインターハイの応援に大分県日田市まで車で出かけ、非常に暑かったなぁという記憶はよみがえってきました。しかし、高松市の歴代最高気温のことは全く記憶になし。たぶん新聞等には大きく載っていたと思うのですが…。

人間は、自分にとって関心のない出来事はすぐに忘れてしまいます。また、都合の悪いことは忘却の引き出しにしまい込んで、意図的に忘れたかのようなふりをすることもできます。忘れていかないと前に向いて進めないということもあるでしょう。しかし、苦境に立たされたとき、辛い場面に遭遇したときには、この忘却の引き出しを開け、二度と同じような失敗を繰り返さないよう行いを改めることができるのも人間です。始業式で「喉元過ぎれば熱さ忘れる」と「報恩」について偉そうに話をしたものの、自分はこれまでたくさんの人から受けてきた恩義に向き合いお返しができたか、不義理はなかったかなどと、都合の悪い引き出しもちょっとだけ開けながら反省しました。

このコロナ禍もいつまで続くか分かりませんが、いずれは収束し、以前のような生活が戻ってくると思っています。何年か先には、こんなこともあったなぁと笑顔で話ができる時代に早くなってほしいですが、この経験ははっきりと記録に整理し、記憶に留め、決して都合の悪い引き出しにはしまわないようにしたいと思います。

 

さて、話は変わりますが、8月22日(土)午後に本校で「サマースクール」と題して、県内の視覚障害のある中高生等を対象とした勉強会を開催しました。講師は教員などではなく現役の大学2年生で、ご自身も視覚障害があり地域の小・中学校、県立高等学校で学び、昨年県外の大学に入学された方、本校も教育相談等で関わってきた方でした。高校に入学してからのこと、大学入試のこと、大学生活のことなどについて、困ったこと、努力したことなどを分かりやすく話してくれました。今年は県内各校とも夏休みが短縮されたこともあり、校外からの参加者は少なかったですが、本校高等部普通科生徒の外、県立高校で学ぶ高1の生徒が1名参加してくれました。また、講師の高校時代の恩師の先生方もサプライズで参加してくれ、旧交を温めたようでした。勉強会の内容については、またホームページに掲載されると思いますが、一言感想です。講師の大学生は様々なことにチャレンジして、周囲から叱られる失敗もたくさんして、それでもへこたれずにたくましく生きているなあということです。淡々とした語りからは想像できない芯のしっかりした実行力のある方だと感心しました。本校の生徒がこの話を聞いてどう感じ何を考えたか、また聞いてみたいです。

 

では、2学期も感染症対策を継続しながら、幼児児童生徒の教育活動にできるだけ制約が出ないよう熟慮して取り組んでいきます。関係のみなさま、今学期もどうぞよろしくお願いいたします。

 

令和2年8月24

香川県立盲学校長 田中 豊