校長からみなさまへ

校長からみなさまへ

2020年9月7日 12時42分

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ALTの先生が来校しました>

 

9月7日(月)の午後からALTAssistant Language Teacher)の先生が来校し、「コミュニケーション英語」の授業に取り組んでいただきました。ALTの先生が、中・高等学校で英語の授業補助を行うようになったのは1987(昭和62)年からで、「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」という国際交流事業として始まりました。詳しくは一般財団法人自治体国際化協会(CLAIR/クレア)のホームページ【http://www.clair.or.jp/index.html】を読んでいただければと思いますが、この制度が始まってもう34年目になるということです。平成23年度から実施された小学校の学習指導要領に「外国語活動」が位置づけられてからは、小学校にもALTの先生が訪問するようになっています。

さて、今日来ていただいたのは、Geraldine Repolidonさん(ご本人は『ジー』と呼んでくださいと言っていました)というフィリピン共和国出身の女性の方で、本校に来ていただくのは初めてでした。初めてのALTの先生が来られる時には、スーパーバイザーの先生が同行してくれるとのことで、トニー先生というベテランの先生も一緒に来てくれました。アメリカ出身のトニー先生は本校3回目の訪問だそうで、日本に住んで18年、日本語も流暢に話されていました。

本校のALTによる授業は、月に1回、学部を併せての授業として行っています。学部や学年をまたいでいますので、教科書は使わず、各ALTの先生方がオリジナルの教材を準備し、英語によるコミュニケーションの楽しさを味わうことを目標として取り組んでいます。普通校のように、ALTの先生に毎週来ていただくことは難しく、ジーさんも普段は高松高校での授業が主で、週1回は志度高校にも出かけているとのことでした。

今年度は感染症の影響もあり、今回が年度初めての授業となりました。今日の授業に参加したのは、英語の授業を受けている小学部6年生1名、高等部普通科2年1名、3年1名、保健理療科2年1名の計4名でした。授業の様子を教室の外から少しだけのぞかせてもらいましたが、笑顔と笑いと拍手が起こる、とても楽しそうな授業でした。授業のテーマは「Show and Tell」、自分の好きなもの、得意なものなどをお互いに紹介し合うことから始まったようで、ジーさんは得意な歌を、トニーさんはエレキベースを持参しての生演奏と、場を盛り上げてくれたようでした。生徒にはそれぞれタブレットを用意し、ジーさんやトニーさんが準備した写真なども手元で拡大して見ることができるよう配慮していました。生徒にとって、生きた英語を学べる大変貴重な時間でした。

授業が終わったあと、ジーさんとトニーさんには校長室に来ていただき、本校の英語担当の先生と4人で授業の振り返りと次回の打ち合わせという名目で、しばらく歓談をしました。ジーさんは日本に来てまだ半年、コロナ禍の渡航制限がかかる前ぎりぎりで日本に来ることができたそうです。ジーさんはまだ日本語が十分でないようで、私も英語での会話にチャレンジしようとちょっとだけ心構えをしていたのですが、トニーさんがあまりに流暢な日本語を話し、ジーさんにさっと英語で通訳してくれるので、そこでの会話はほとんど日本語になってしまいました。思い切りの足りない自分が情けなかったですが…。

歓談の最後に、ジーさんに将来の夢を聞いてみました。ジーさんは、日本で働いて日本で家庭を持つこと、そして家族を日本に招待したいとキラキラした瞳で話してくれました。日本はいい国、魅力的な国であると評価してくれているようで、うれしく思いましたが、日本に住んでいる我々日本人は、日本という国をどう捉えているのでしょう。これからどういう国にしたいのでしょうか。自戒も含めてですが、決して人任せにはせず、我々一人一人がよく考え行動しなければとあらためて思いました。

 

令和2年9月7日

香川県立盲学校長 田中 豊