校長からみなさまへ

校長からみなさまへ(9月26日付)

2020年9月26日 18時56分

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<第1回目の学校公開(授業参観)を実施しました>

 

9月26日(土)、今年度第1回目の学校公開(授業参観)を開催しました。盲学校の‟今“を広く一般のみなさまにも知っていただく機会として、第1回目は9月下旬頃、第2回目は1月下旬頃に毎年開催しています。今年はご多分に漏れず、コロナ禍という如何ともしがたい状況ではありましたが、保護者も含めた来校者全員の健康チェック、検温、手指消毒、氏名や連絡先等の記入など十分な感染症対策に取り組むことで実施することといたしました。

公開の時間帯は、1時間目から6時間目までの8時45分から1515分の間、全ての授業を見ることができます。ただし、外来患者の予約があった場合の保健理療科、理療科の臨床実習は非公開としています。(今年度はまだ外来患者の受付はしていませんが)学校公開日は保護者のみなさまの授業参観日でもあり、自分のお子さんだけでなく、他学部の授業も参観できるとあって、ほとんどの保護者が参加してくれています。同時に希望する保護者を対象とした給食試食会も開催し、感染症対策もしながら美味しい給食をいただきました。学校公開ですから希望があれば併置する寄宿舎も見学可能で、そこで生活する児童生徒の様子もパネルで展示しています。また、視覚障害のある人が、生活したり学習したりするうえで役に立つ「便利グッズ」の展示と職員による生の紹介も行っています。この「便利グッズ」コーナーは、年がら年中常設の展示スペースを設けており、資料館とまではいきませんが、新しい「便利グッズ」が発売されたりすると、展示に加えるなど情報を更新しています。

 

さて、今日の学校公開、本校保護者のみなさんがご兄弟も含めて25名、保護者以外の方々が48名来校してくださいました。コロナ禍の中ですので、保護者以外の参加はほとんどないのかも…と想像していましたが、例年にない参加者数になりました。48名のうち、約半数の23名が坂出高等学校の教育創造コースの生徒のみなさんでした。坂出高校の教育創造コースは、将来、教員をめざす生徒を育てることを目的に、平成29年度に新設された課程です。1年次から教職への理解を深めるための大学教員による授業や、小学校での体験活動などに取り組んでいるそうです。今日来校された生徒のみなさんは、初めての盲学校参観だったようで、どなたもたいへん熱心に参観し、感じること、考えたことも多かったようです。そのほか、教育関係者や福祉関係者の方々、次年度に本校への就学を考えてくれている小学生とその保護者の方など、たくさんの方々に参観いただきワクワクした一日になりました。

 

参観後、来校者のみなさまにアンケートを書いていただきました。すべて読ませていただきましたが、初めて盲学校を見学した高校生からのアンケートがとても印象的でした。盲学校では一人一人の状態に合わせて様々な工夫がなされて教育活動が行われていること、先生方が明るく授業の雰囲気が良かったなどの感想が複数ありました。特別支援学校では当たり前に行われている個別の支援や指導について、高校生には新鮮であったようです。また、UDブラウザを使ったタブレット端末による授業を見て、私たちも授業で使えるようになればいいのに…との感想もありました。

学校というところは、温かい雰囲気の中で、生徒が教師を信頼し、教師も生徒の可能性を信じるというお互いの信頼関係と安心感の土壌があって、生徒の学ぶ意欲や姿勢が育ち、それにより教師も人間的に成長していくと考えます。将来教員を目指す生徒のみなさんが、今日の参観によってそのことを肌で感じることができたのであればうれしく思います。

 

令和2年9月26

香川県立盲学校長 田中 豊