校長からみなさまへ

校長からみなさまへ(1月8日付)

2021年1月8日 16時50分

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<令和2年度3学期が始まりました>

 

2021年、令和3年が幕を開けました。新年おめでとうございます。本日1月8日、学校では第3学期の始業式が行われ、令和2年度のまとめとなる3ケ月がスタートしました。

今年の元旦はたいへん寒い朝でしたがお天気も良く、私が東かがわ市のとらまる公園から見た初日の出は、神々しく無心で合掌するほどでした。昨年の初日の出とは何か違う、平穏な日常が戻ってほしいという祈りを込めていたかもしれません。とにかく、太陽は今日も明日も昇り続ける、古代から人は太陽を神と崇めてきたということが実感できたような瞬間でした。

 

今日から始まった3学期、始業式は、前日からの寒波到来でストーブを焚いても冷蔵庫のような体育館でしたが、そこで実施しました。昨日の積雪のため登校できなかった生徒もいましたが、そのほかの児童生徒は元気に参加してくれました。

 

さて、時間は遡りますが、2学期の終業式講話では「事実を知る」、「事実を知る努力をする」ことの大切さについて話をしました。この感染症が拡大し特に情報過多となっている今の世の中で、たくさんの情報に対して、まずは、なぜ?どうして?本当?という「疑問」や「疑念」を持って自分で調べてほしい、探求してほしいと言いました。情報の真偽をよく確かめずにそれを信じて、もしそれが事実と違う情報であると分かったとしても、‟裏切られた“と相手に責任を押し付けてしまえば楽かもしれません。しかし、それを何も考えずに鵜呑みにした自分はどうなのか…。すべてのことに疑心暗鬼になっては、なかなか前に進めませんが、何かがおかしいと感じたときに「疑問」や「疑念」を持ち、想像力をいっぱい働かせて、事実やその先にある真実を知る努力をしてほしいという話でした。

生徒たちにこのような話をした手前、冬休みは私もこれまで以上に「疑問」や「疑念」を持って過ごそうと考えました。そして「なぜ」と思ったのが、元旦に煌々と昇ってきた太陽でした。初日の出を見終えて、朝日を真正面に受けながら自転車を漕いで家路につきましたが、ふと、太陽は本当に永遠に昇り続けるのだろうかという疑問がわいてきました。そして、その疑問に答えられない自分に気づきました。関心を持って調べたことがないがために、知識がありませんでした。帰宅してから早速インターネットで検索し、とりあえず分かりやすく説明してあるような書籍を調べ、年始に書店が開いてから買い求めにいきました。いま宇宙について勉強中ですが、分かったことの一つは、太陽にも永遠はないということ、当然地球にも永遠はないということです。

 

3学期の始業式の講話では、宇宙について「疑問」を持って、いま勉強していることを話したうえで、地球上のあらゆる生命、人間もウイルスも地球という太陽系にある奇跡の惑星に存在する自然の一部であること、その存在全てが数えきれない奇跡が重なって、いまここにあること。みなさん自身も宇宙の大きな営みの中で生まれ育まれた奇跡の存在であることを自覚すれば、自分の生き方も変えることができる。変われる自分の可能性を信じて、3学期も怠らず努力してほしいという内容の話をしました。

 

2021年、まだしばらくは様々な活動が制限され、不安な日々が続くかもしれません。しかし、いまが連帯して行動するチャンスだと思います。みんなで知恵を出しあって協力して、できることは前向きに取り組んでいきたいものです。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

令和3年1月8日

香川県立盲学校長 田中 豊