校長からみなさまへ

校長からみなさまへ(3月19日付)

2021年3月19日 15時17分

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<令和2年度 第3学期が終了しました>

 

終業式の前々日、3月17日(水)に令和2年度幼稚部の修了式を挙行しました。晴れの式に臨んだのは年長組の幼児1名で、平成31年4月に年中児から本校に入学し、2年間の教育を経て今日の修了となりました。式には小学部在校生、幼稚部・小学部の全職員、学校看護師さんを始め、保護者だけでなくおじいちゃん、おばあちゃんも出席され、多くのみなさんが修了児のまわりを温かく囲むようにお祝いしました。

本児が入学した2年前、医療的なケアが必要ということで学校看護師の配置などを県教委に要請し、学校では専用教室の確保など環境整備に取り組みました。入学当時は風邪などの感染症にもかかりやすいということでしたので、活動にも様々な配慮をしました。しかし、経験を重ねてみれば、本人も気持ちいい表情を見せたり、うれしそうに笑ったりすることがだんだんと分かり、担任も積極的に活動できる環境づくりに努めました。教室の外での活動もたくさん経験し、夏には校外保育としてJRに乗り津田の松原まで行って、海からの風や磯の香り、打ち寄せる波の感触などを楽しむことができました。姿勢の保持などの自立活動にも、専門的知識の高い他の特別支援学校の先生に来てもらいアドバイスを受けたりして、根気強く取り組みました。難しかったことが少しずつできるようになり、この2年間の成長に保護者も大変喜んでおられました。「やってみよう!」という言葉がぴったりの2年間だったと思います。4月からは本校小学部に進学します。これからもいっぱいの経験をして、豊かに成長してくれると思います。修了、おめでとう。

 

3月19日(金)快晴。校庭の桜も、今にも満開になりそうな勢いでたくさんの花を咲かせています。春が一足先にやってきた感じの今日、第3学期の終業式を行いました。卒業生・修了児がいないので、全校で10名という少し寂しい式になりましたが、全員が元気に出席してくれました。各部の代表者に修了証を渡したあと、幼児児童生徒のみなさんに少し話をしました。

この1年間の経験は、確かに「大変」な経験でした。時が経てば、この大変さもいずれは収まって、「あの時は大変だったなぁ」と過去の出来事の一つになるかもしれません。しかし、この出来事、自分自身の経験をとおして感じたこと、考えたことを、ぜひこれからの生活、これからの生き方に役立ててほしい。新型コロナウイルス感染症の流行によって、世界中でたくさんの人の命が失われたことは、たいへん悲しいことですが、この流行によって人種差別などの人権問題、北半球と南半球の経済格差や貧困の問題、エネルギー問題やグローバル経済の問題など、地球規模で考えなければならない問題が私たち人類に突き付けられたこと。解決は難しい問題かもしれないけれど、時々でもいいから一人一人が考え続けることが大切で、もしできることがあったら行動しよう、みんなで力を合わせれば、何かが変わる…そんな話をしました。

小学部や中学部の子どもたちには少し難しい話になりましたが、最後は、3学期、そしてこの1年間の頑張った成果に、「ありがとう」の感謝の言葉を伝えて話を終えました。

 

この校長からのメッセージも、今年度はこれで最後になるかなと思います。4月からまた心機一転、頑張って掲載を始めたいと考えています。拙文を読んでいただきありがとうございました。

では、また、4月にお会いしましょう。

 

令和3年3月19

香川県立盲学校長 田中 豊