R04~R06校長室

230110 3学期始業式(校長室から)

2023年1月10日 10時00分

3学期始業式式辞   

 令和5年、2023年がスタートしました。

日本漢字能力検定協会が発表した2022年の「今年の漢字」は「戦」でした。ロシアのウクライナ侵攻という本当の戦争、そして、新型コロナウイルス感染症や物価高との戦いなど、暗い空気が世の中を覆っていました。その空気を吹き飛ばしたのが、北京冬季オリンピック、サッカーワールドカップでの日本の活躍など、スポーツでの戦いでした。今年の見通しもそう明るくありませんが、坂高生が生き生きと学校生活を送ることで、活気ある学校になればと期待しています。

さて、「一年の計は元旦にあり」とことわざがあります。その年にすべきことは、元旦に計画を立てるべきである、という意味から、何事もはじめに計画を立てるのが肝要であるという意味で使われたりします。皆さんも、新しい年を迎えて、自分が何をめざしているのか、そのために何をしなければいけないのか確認するよいタイミングです。

3年生の多くは、4日後に迫った共通テストのことで頭がいっぱいで、それどころではないと思っているかもしれません。共通テスト後には、予備校などが発表するデータを参考にしながら、出願先を考え直すこともあろうかと思います。その時に、自分のやりたいこと、なりたい自分を見失うことなく、これから自分の進むべき道を考えてください。

1・2年生の皆さんにとっても、3学期は重要な時期となります。短期的な視点で見たら、1年間の総決算の時期です。この1年でやっておくべきことはしっかりとできているのか、キャリアパスポートなどに記した自分の目標を達成することはできたでしょうか。中期的な視点で見たら、新年度に向けての準備期間、新学年のゼロ学期となります。2年生であれば、受験に向けての準備期間、1年生であれば、後輩を迎え、学校行事などで学校の中心となる2年生への準備期間です。先を見据えて、自分は何をめざしているのか、そのために自分がすべきことは何なのか、再確認してください。

そのヒントとして、アップル社を創業し、後にiphoneなどを世に送り出したスティーブ・ジョブズ氏がスタンフォード大学の卒業式で行った有名な演説の一部を紹介します。

まずは、自分が創業したアップル社から解雇を宣告され、呆然としていた時にたどり着いた境地として、次のように語っています。

「アップルを追われなかったら、今の私は無かったでしょう。非常に苦い薬でしたが、私には、そういうつらい経験が必要だったのでしょう。最悪のできごとに見舞われても、信念を失わないこと。自分の仕事を愛してやまなかったからこそ、前進し続けられたのです。皆さんも大好きなことを見つけてください。仕事は人生の一大事です。やりがいを感じることができるただ一つの方法は、すばらしい仕事だと心底思えることをやることです。好きなことがまだ見つからないなら、探し続けてください。決して立ち止まってはいけない。本当にやりたいことが見つかった時には、不思議と自分でもすぐに分かるはずです。だから、探し続けてください。絶対に、立ち尽くしてはいけません。」

 そして、がんを宣告されて「死」を意識したジョブズ氏は次のように語ります。

「あなた方の時間は限られています。だから、本意でない人生を生きて時間を無駄にしないでください。ドグマにとらわれてはいけない。それは他人の考えに従って生きることと同じです。他人の考えに溺れるあまり、あなた方の内なる声がかき消されないように。そして何より大事なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。あなた方の心や直感は、自分が本当は何をしたいのかもう知っているはず。ほかのことは二の次で構わないのです。」

そして、演説の最後に「ハングリーであれ。愚か者であれ。」と結んでいます。

 皆さんには、自分のやりたいことを探し続けることを諦めて欲しくないですし、まわりの人の言葉に従うのではなく、自分の心に従い、やりたいことに突き進む勇気を持って欲しいのです。

冒頭に話をしましたが、日本の見通しが明るくないのも事実です。それもあって、「私なんかが社会を変えることはできない」とか、「これからの社会はよくならない」と感じている人もいるかもしれません。しかし、自分が前向きに行動することで、何かは確実によい方向に向かいます。その積み重ねで社会を変えていくことができると信じて、社会に出ていく準備を進めて欲しいですし、今できることがあれば、やってみてください。

 大切な時期となる3学期、皆さんが充実した生活を送ることができるよう、先生方も全力でサポートします。皆さんも前向きに学校生活を送ってください。その基盤となることとして、「遅刻しない」「あいさつをする」「掃除をする」を意識してください。そして、3年生の皆さん、通常の高校生活を送ることができる日はわずかです。1日1日を大切に過ごしてください。

 最後に、感染症対策についての確認です。感染者が増えています。学校での学びを止めないためにも、マスク着用、換気、黙食、手指消毒への協力をお願いします。

 以上で式辞を終わります。

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