R04~R06校長室

230407 入学式式辞(校長室から)

2023年4月7日 13時00分

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式  辞

 爛漫の花に彩られ、新しい季節がめぐってまいりました。本日、PTA会長 柴田孝一郎 様のご臨席と、保護者の皆様のご列席を賜り、香川県立坂出高等学校 令和5年度入学式がこのように盛大に挙行できますことを、教職員一同を代表し、心から御礼申し上げます。

 只今、普通科228名、音楽科23名、計251名の入学を許可しました。皆さん、入学おめでとう。心からお祝い申し上げます。

 皆さんが入学した坂出高校は、大正6年、1917年に、香川県立坂出高等女学校として開校しました。戦後の昭和24年、高等学校再編成により現在の校名となり、男女共学の学校となりました。また、昭和42年には音楽科が設置され、現在の学校の形になりました。今年度、創立107年目を迎え、国内外の様々な分野で活躍する29,000人を超える卒業生を輩出してきた伝統校です。そのような坂出高校の一員として、本日皆さんを迎えることができ、大変うれしく思います。

 さて、坂高生となった皆さんが、高校生活の指針として欲しい言葉があります。それは、坂出高校のモットーであり、校歌にも歌われている「高邁自主」という言葉です。「高邁」とは、「高潔なこころざし」という意味ですから、「高邁自主」とは、「高いこころざしを掲げ、自らの判断で自ら行動を起こす」姿を現します。坂高生はこの言葉を胸に、学業、部活動、学校行事などに向き合い、成果をあげてきました。「高邁自主」が坂高生の精神、坂高スピリットと言えます。「高邁自主」を実践するうえで、大切となる心構えが「パティマトス」です。「パティマトス」とは、正門に入って正面にある石組みに刻まれた言葉です。今から58年前に、創立50周年を記念して、当時の校長が本校で学ぶ生徒に贈った言葉です。「パティマトス」はギリシア語で、「英知は苦難を通じて来たる」という意味です。つまり、楽しいことばかりではなく、つらいことやしんどいことに向き合って、高い志は実現できるのです。

 現代社会では、情報通信技術の進歩により、社会変化のスピードが急激に早まりました。さらに、ロシアのウクライナ侵攻のように、予想もしなかった事が起きるなど、私たちは、不確実な社会を生きています。このような社会では、新たに生じた問題に対する解決策を考え、実行する力が求められます。具体的には、自分の事として、社会の問題に向き合い、解決に向けて他者と協力して粘り強く取り組んでいく力です。この力は、「高邁自主」を基盤においた本校の教育活動によって培うことができると確信しています。「遅刻をしない」「あいさつをする」「掃除をきちんとする」といった生活習慣の基本ができたうえで、学業、部活動、学校行事や生徒会活動に十分に励み、社会で活躍する人材に成長することを望んでいます。

 保護者の皆様、お子様の入学、おめでとうございます。民法の改正により、18歳になると、法律的には、成人、大人として扱われ、自分で判断し行動することが求められるようになります。それだけに、高校3年間でお子様に自立する力をつけることが求められます。ご家庭におかれましても、ほどよい距離をおきながら、お子様に対して、時にきびしく、時にあたたかく見守ってください。また、ご家庭と学校が十分に連絡を取り合い、お子様の教育を進めてまいりたいと思いますので、ご理解とご支援を賜りますよう、お願いいたします。

  最後に、新入生の皆さんが今日の感激と感謝を忘れることなく、学業に、また人間形成に大いに励み、充実した素晴らしい学校生活を送ることができるよう期待し、式辞とします。

  令和5年4月7日

 

香川県立坂出高等学校長 真下拓也