い じ め 防 止 基 本 方 針
香川県立三本松高等学校

1 いじめ問題の理解

 いじめは児童生徒の心身の健全な発達に重大な影響を及ぼし、不登校や自殺、殺人などを引き起こす背景ともなる深刻な問題です。しかも、最近のいじめは携帯電話やパソコンの介在により、一層見えにくいものになっています。教員は、いじめはどの子にも、どの学校においても起こりえるものであること、また、だれもが被害者にも加害者にもなり得るものであることを十分に認識しておく必要があります。

○ 「いじめ」の定義

いじめは日常生活の延長上で生じ、当該行為がいじめか否かの逸脱性の判定が難しいところに特徴があります。いじめとは、

昭和 60 年以来 「自分より弱い者に対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの」
平成 18 年から 「一定の人間関係のある者から、心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的苦痛を感じているもの」
いじめ防止対策推進法(平成 25 年6月 28 日公布)では、
  「一定の人間関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」
とされるようになりました。


2 いじめ問題への対応

いじめに取り組む基本姿勢は、人権尊重の精神を貫いた教育活動を展開することです。「いじめは人間として絶対に許されない」という意識を一人一人の児童生徒に徹底させるとともに、教職員自らそのことを自覚し、保護者や地域に伝えていくことが必要です。いじめが生じた場合には、いじめられている児童生徒に非はないという認識に立ち、組織的対応によって問題の解決を図ります。心の傷の回復に向けた本人への働きかけを行うと同時に、学校全体として社会性をはぐくむ取組につなげていくことも大切です。

○ いじめの早期発見と早期対応

いじめを許さない学校づくりを進めるとともに、児童生徒が発する小さなサインを見逃すことのないよう日ごろから丁寧に児童生徒理解を進め、早期発見に努めることが大切です。そのためには、表面の行動に惑わされることなく内面の感情に思いをはせ、違和感を敏感に感じ取る必要があります。また、アンケート調査や面接を通して児童生徒の声が教員に届くように、相談したいという人間関係を日常的に築いておきたいものです。いじめ発見のルートは、①本人の訴え、②教職員による発見(担任、養護教諭、事務職員など)、③他からの情報提供(児童生徒、保護者、地域、関係機関など)に大別されます。多面的な情報をつきあわせて全体を把握し的確な対応を行うためには、協働的な生徒指導が機能していることが不可欠の前提となります。

(『生徒指導提要』(平成 22 年3月 文部科学省)より一部抜粋)

3 「いじめ」の未然防止・早期発見のための取組

    1. (1) 普段から生徒の様子をよく観察し、必要に応じて声をかけるなど、生徒とのコミュニケーションを密にし、生徒の実態を把握することに努める。
    2. (2) 生徒との信頼関係を作り、生徒が相談しやすい雰囲気を作る。
    3. (3) 職員間の情報交換を密にする。(学年団会や分掌の会議等で、気になる生徒の情報を交換する。若い先生方や実技科目担当の先生方が気づいたことは、まず担任に伝える。)
    4. (4) 家庭との連絡を密にする。
    5. (5) ホームルームの時間を利用して、「いじめ」について考えさせる。(予防対策を講じる。1年生の6月の人権・同和教育のホームルームでは今後も取り組んでいく。)

内容)いじめは犯罪であり、絶対に許されない行為であることを訴える。また、いじめを受けた場合に友人、家族、先生方と相談することの大切さを理解させる。いじめがいかに深刻な事態を招くか、いじめを受けたらどんな思いがするか、またどう対処すべきか、友人がいじめに合っていたらどうするか等について生徒に考えさせ、意見を出し合う機会を持たせる。

  1. (6) 「学校生活に関するアンケート」を年間4回実施する。実施時期は、各学期末に一回ずつと夏季休業明けに実施する。(夏季休業中における人間関係の変化や、休業明けに伴う生徒の心身の不安定さが懸念されることから実施する。)なお、アンケートで問題を抱えていることが懸念される生徒には、必ずクラス担任が面接を行う。
  2. (7) カウンセラーを含む「いじめ対策連絡会」で常に情報交換を行う。


4 「いじめ」(の兆候)事案が発生した場合の対応について

    1. (1) 高校では教科担任制のため、学級担任が常時、学級すべての生徒の実態を把握することは困難である。したがって、すべての本校職員は、いじめに該当する事案またはいじめの兆候を察知した場合には、速やかに該当クラスの担任に伝える。
      1. 例)ア 冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる。
      2.   イ 仲間はずれ、集団による無視をされる。
      3.   ウ 軽くぶつかられたり、遊ぶ振りをして叩かれたり、蹴られたりする。
      4.   エ 金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする。
      5.   オ 嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする。
      6.   カ パソコンや携帯電話(スマートフォン)で、誹謗中傷や嫌なことをされる。
      1. (2) 該当クラス担任は、速やかに学年主任に報告する。
      2. (3) 学年主任は、当該生徒の担任に加え、当該生徒についてよく知っている職員(部活動顧問等。場合によっては生徒も。)とも連携をとり、当該生徒から聞き取り調査を行うとともに、注意深く観察する。また、直ちに教頭に連絡する。
      3. (4) 教頭は、事案が発生した場合も学年主任等と協議の上、「いじめ対策連絡会」を開催する。

 ※ 上記(1)~(4)のとおり、「学級担任 → 学年主任 → 教頭 → いじめ対策連絡会 → 校長」という流れで対応する。ただし、特別の事情がある場合には柔軟に対応するものとする。


    ※ 定時制課程は全日制課程に準ずる。