校訓「友愛・誠実・剛健」制定 昭和39年4月26日
校訓制定のいきさつ:
学校にも、伝統というか校訓というか、そういうものがあり校章があり、校旗があるものである。家と同じく古ければ古いほどその格調も高い。70年になる三本松にも、昔は「終始一誠意」とか「真剣」とかいうものを掲げて校釧としていたようである。しかし、私が来たころは、そういうものはなかったようである。校旗も大川中学時代のものが残っていて、高校になって20年近くになるというのに、三高の校旗はできていなかった。これらのことは、そう堅くなってことあげせず、なければなくてもよいが、みんなが納得できるものがあるなら、あってもいいと私は考えた。
まず校訓である。これは伝統として今も生きているもの、これからもぜひ生かさなければならないものを、まずあげるべきだと思った。自分でもよく読み、よく見、よく聞き、そしてよく考えた。伝統は何か、生きているものは何か、これから生かしつづけねばならんものは何かと。それには文句なしに「友情の精神」があげられる。友情ということばでは校訓にふさわしくないので、友愛とした。次に誠実。これは人としての生き方の根本である。終始一誠意である。
もう一つは、校歌の一節にある「意志剛健の雄姿こそわが学園の亀鑑なれ」の剛健である。外に、粗野なので礼節も考えた。反骨精神があるというので、また、中正ということもどうかと思った。しかし、三項目くらいが適当で、五項目では徳目の羅列みたいで気にくわない。練りに練り、職員生徒にはもちろん、卒業生や有識者の意見もきいて、友愛・誠実・剛健に決めた。昭和39年4日26日、創立記念日である。学校から8キロほど南に、標高420mの美しい山がある。虎丸山といって本校鎮護の山である。この山頂まで、全校生徒が毎年駈足で登る。これが長く続いておる創立記念日の年中行事である。この日この山上でこの校訓を正式に発表した。
第14代校長 香川正信著「つち音」より引用