大谷さんは大学院に在学中に、慢性骨髄性白血病と診断されました。必死に骨髄提供者を探す中、母親と骨髄の型が奇跡的に一致することが判明し、母親から骨髄移植を受けて病気を治すことができました。そして、同じ病気で苦しむ人が一人でも骨髄移植を受けて助かるようにと、日本には当時まだ無かった「骨髄バンク」の設立に尽力されました。
大谷さん自身の闘病生活、その時なぜか思い出した中学校時代いじめを助けることができなかったことへの後悔、病気回復後の骨髄バンクが設立されるまでの厚生省とのやりとり、朝日新聞での呼びかけに対する社会からの大きな反響など、講演の内容は多岐にわたりました。骨髄移植をのりこえた中学生の悩みの話や、本校の三好先生の骨髄提供を受けて一命をとりとめた子どもの両親からの手紙などが、多くの生徒の心に残りました。
「社会に貢献するとはどういうことか」私たちに考える機会を与えてくれるすばらしい講演でした。