校長からみなさまへ

校長からみなさまへ(入学式)

2022年4月7日 18時27分

香川県立盲学校の Web サイト(ホームページ)をご覧いただき、ありがとうございます。


<入学式>
 さわやかな青空のもと、令和4年度の入学式を挙行いたしました。
 高等部普通科2名、保健理療科1名、専攻科理療科2名が、それぞれ緊張の中に、晴れやかな表情を浮かべ、凛とした雰囲気の中、入学式に臨むことができました。
 校長として初めての入学式。式場内で一番緊張していたのは私ではないかと思います。
 少し震える声で、以下の式辞を述べさせてもらいました。


「式 辞


 あたたかな春風に桜の花びらが舞い、冬に児童生徒たちが植えた色とりどりのチューリップの花が揺れる今日の佳き日に、ご来賓の方々のご臨席を賜り、令和四年度香川県立盲学校の入学式を挙行できますことを、心から感謝申し上げます。

DSCN0561【本校理療棟前のソメイヨシノ】

 ただ今、入学を許可いたしました五名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また、ご家族、関係者の皆様には、本日のご入学を心待ちにされていたことと存じ、心からお喜びを申し上げます。
 香川県立盲学校は、明治四十一年の創立以来、百十四年目という長い歴史と伝統があります。ここで学んだ多くの卒業生が、「報恩、自立自営、反省」という校訓のもと、自立と社会参加を目指して勉学に励み、各界で活躍されています。

DSCN0557【校訓碑】

 さて、今、社会は目まぐるしいスピードで変化し、予測困難な時代になりつつあります。様々なことが次々にアップデートされ、今まで当たり前だと考えられていたことが、そうではなくなり、旧態依然の価値観に縛られていては、一歩前に進むことすら息苦しさを感じるかもしれません。そんな時代だからこそ、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、判断して行動する力を養い、たくましく生きる、生き抜く力を養って欲しいと思います。
 それは難しいことではありません。なりたい自分を思い描くことで、自然とできるようになります。なりたい自分になるために、受け身ではなく、自分は何がしたいのか、何を求めているかを常に自分に問うてみてください。そこに沢山のヒントが詰まっていることでしょう。
 でも、時にどうしたらよいのか分からずに、迷うこともあるかもしれません。そんな時は、あせらず、周りを眺めてみてください。そこには仲間たちがいます、先生方がいます。香川県立盲学校はとてもあたたかな学校です。安心して、これからの学校生活に思いを馳せてください。

 本日、ご列席のご家族の皆様に一言申し上げます。私ども教職員は、一人一人の児童生徒を大切にし、ひとりひとりの願いが叶うよう使命感をもって取り組んでまいります。そのために、多くの皆様と連携しながら教育に当たっておりますが、とりわけ、本校に学ぶ幼児児童生徒の成長や自立、社会参加を考えるとき、ご家族と関係者の皆様との連携は、欠くことのできないものです。どうか、本校の教育に、ご理解・ご協力をいただきますようお願い申し上げます。

 最後になりましたが、ご来賓の皆様には、常日頃から本校の児童生徒にご支援をいただいておりますこと、改めて感謝申し上げます。本年度も引き続き、ご指導ご支援を賜りますようお願い申し上げまして、式辞といたします。

               令和四年四月七日 香川県立盲学校長 菊田 一之」

 拙い式辞でしたが、思いは伝わったのではないかと思います。
 本校に入学して良かったと思ってもらえるよう、教職員一同、使命感をもって取り組んでまいります。
 明日は、幼稚部の入学式があります。16名が揃い、令和4年度が本格的に始まります。

校長からみなさまへ(着任のごあいさつ)

2022年4月1日 17時41分

香川県立盲学校の Web サイト(ホームページ)をご覧いただき、ありがとうございます。

<校長挨拶> 
 香川県立盲学校第30代校長として着任いたしました、菊田一之(きくたかずゆき)です。歴代校長の取組を継承し、明治41年の創立以来、114年という長い歴史と伝統がある本校の更なる発展に尽くす所存です。
 4 月 7 日の入学式で 5 名の新入生を迎え、そして4月8日の幼稚部入学式で1名の新入生を迎え、全校生徒16名で令和4年度の盲学校が始まります。この1年間に幼児児童生徒それぞれがどのような成長や活躍を見せてくれるのかが楽しみでなりません。
 本校は県下唯一の視覚障害者のための特別支援学校として、専門性を発揮し、関係機関と協力しながら教育活動を行っています。ICT機器等を使った視覚障害教育の充実、寄宿舎での生活指導を通した社会自立への支援、「見えにくさと学びの相談センター」の設置・運営による教育相談・指導支援の充実など、本県における視覚障害者教育の発展と充実が図られるよう、教職員一同、使命感をもって取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


<香川県立盲学校について>
香川県立盲学校は、明治41年4月に私立香川県盲唖学校として開校し、大正11年、現在の敷地に校舎が落成しました。大正13年には県立に移管され、香川県立盲学校・聾唖学校の名称で発足し、昭和23年には新学制に基づき、香川県立盲学校と香川県立聾学校に分離されました。昭和29年に聾学校が高松市太田上町(現在の聾学校の場所)に移転するまで、同じ敷地内に盲学校と聾学校が併置されていました。今年で開校114年、盲学校単独校なってから74年の歴史と伝統のある学校です。
 本校は、香川県下で唯一の視覚に障害のある子どもや成人の方のための学校です。学部としては幼稚部、小学部、中学部、高等部があり、高等部には普通科と保健理療科、専攻科理療科があります。視覚障害についてですが、一般的には盲学校の「盲」という言葉から、全く目が見えない生徒が学んでいるというイメージを持たれているかもしれません。視覚障害者には、矯正視力が 0.3 未満の弱視者と 0.04 未満の全盲者がおり、視覚障害者全体では弱視者が8割程度と言われています。弱視であっても見え方は様々で、本校では一人一人の見え方に応じて工夫を凝らした学習に取り組んでいます。また、全盲の生徒はもちろんですが、弱視の生徒も移動のための歩行訓練や日常生活の訓練にも取り組んでいます。
 また、本校は職業教育にも力を入れており、あん摩マッサージ指圧師をめざす高等部保健理療科、あん摩マッサージ指圧師に加え、鍼 師 、 灸 師 をめざす専攻科理療科があります。3年間で必要な単位を修得すると、それぞれの国家試験受験資格が得られます。これまでも多くの卒業生が、あん摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師として自分の夢をかなえ、社会で大い活躍しています。
 加えて、視覚障害教育のセンター機能を果たすため「見えにくさと学びの相談センター」を設置・運営して、香川県内の視覚障害のある幼児から成人まで、またその保護者の相談に対応するとともに、県内各学校園に本校教員を派遣して学習支援等にも取り組んでいます。見え方に困難を抱えており、将来について迷っている方、悩んでいる方は、ぜひ本校にご連絡、そしてご来校ください。お知り合いで、そのような方がいらっしゃいましたら、どうぞ本校のことをご紹介いただければと思います。
 本校の幼児児童生徒の自立と社会参加、そして一人一人の願いがかなう学校を目指し、日々の教育活動を充実していきますので、ご理解とご協力、ご支援を賜りますようお願いいたします。
            

                 令和4年4月1日 香川県立盲学校長 菊田一之

校長からみなさまへ

2022年3月31日 16時00分

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令和4年4月教職員人事異動で高松南高校に転任することとなりました。来年度に向けて本校の教育活動の更なる充実と教職員の専門性向上のため、尽力するつもりでいましたが、僅か1年の盲学校勤務となりとても残念です。後任には、2年間本校で勤務している菊田教頭が校長に昇任します。菊田教頭は採用以来、県内の特別支援学校での勤務を重ね、特別支援教育の専門家であり安心して任せられます。

令和34月に赴任して、初めての特別支援学校ということもあり本校の教育活動を知ることがまずは重要であると考えスタートしました。毎朝の児童生徒、保護者への挨拶から始まり、授業の様子を見学するため各教室を周りました。児童生徒の名前はすぐに覚え、学習や学校行事での活動にはどれも新鮮で、私は児童生徒から元気を貰いました。

小学部の児童から専攻科生徒と幅広い年齢層との関わりがありました。児童の様子を見て心が和み、私より年齢が上の生徒の熱心な学習態度に感心していました。3月25日には、あん摩マッサージ師・はり師・きゅう師国家試験の合格発表があり、3名全員が見事合格しました。朝早くから自習をし、国家試験直前には理療科の教員とともに追い込みをしていた姿を見ていましたので、これまでの努力に自信をもち教員のアドバイスに真摯に向き合えば合格すると信じていました。最後に、このような素晴らしい結果報告を受け本当に嬉しく思っています。

また、他県の視覚障害特別支援学校の校長先生、眼科医や視覚障害福祉関係の方、本校にご指導いただける大学の先生など、本校外の方たちとも出会うことができ、私にも多くの財産ができたと思っています。今回の人事異動で盲学校から離れますが、折角の出会いであり今後ともご指導いただきたいと思っています。

令和4年度は16名の幼児児童生徒が在籍します。新型コロナも収束し、本来の学習活動を行い本校の特色を生かした教育活動を行えると期待します。また、視覚障害教育の専門家集団として地域にも貢献していかなければならず、今後も本校の果たす役割は大きいです。

多くの方に助けられて勤務できたこと、本当に感謝しております。私は本校で学んだことを高松南高校の生徒・教職員に伝え、学校運営に活かしていきたいと思います。1年間でしたが、本当にありがとうございました。

                     令和4年3月31

                      香川県立盲学校長 吉田 稔

校長からみなさまへ

2022年3月18日 13時00分

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3学期終業式を行いました。児童生徒たちは令和3年度の学校生活を終え、明日から春休みに入ります。今年度もあっという間に過ぎ、4月から新しい学年が始まります。終業式では、これまでの始業式や終業式で講話した内容を振り返りました。

1学期始業式 

水泳の池江選手を取り上げ、目標に向けて行動することは、自分を成長させるだけでなく、周りの友達、家族、そして私を含めた先生方の元気につながります。

1学期終業式 

かつて数学を教えたことのあるオリンピックハンドボール日本代表選手を取り上げ、「こうなりたい、こうしたい」という想いを常に持ち、その実現に向けて何をするべきかを考え、実行してください。考えもつかないような夢に繋がるかもしれません。

2学期始業式 

「ピンチはチャンス」という言葉を紹介し、苦しい状況こそ新しいことへの絶好の機会考え、チャンスだと思って前向きに切りかえ苦しい経験を乗り越えることが、その人の人間性を高め他の人を支えるときなどに役立つ、苦しい状況は進歩の始まりです。

2学期終業式 

学校行事などでの勉強とは違ういろいろな体験することを取り上げ、人の成長にとって体験することは、とても大切な事、笑ったり、悩んだりしながら、少しずつ成長する。順調に物事が進むことも大切ですが、上手くできずあれやこれやと考えることも同じくらい大切です。これらの繰り返しが必要です。

3学期始業式

 「まちがったっていいじゃないか」という本を紹介し、学校で学習する問題には正しい答えが一つあり、その答えを見つけていく。このとき、正しい答えにたどり着くまでに、いろいろ解き方を考える。いろいろな解き方を考えることが大切である。将来、答えが一つではない課題に出会うこともあり、このようなときにこそ「考える力」が大切だ。毎日の授業のなかで「考える力」を身に付けてください。

そして、これらの講話が、人が成長するときに大切にしてほしいことである、としてまとめました。最後に、4月に立てた目標を達成できたか、目標に近づけたかを問いかけ、「目標に向けて頑張った自身の過ごし方を大切にしてください。新学期には令和4年度の新たな目標をたて、学校生活をスタートしましょう。」と締めくくりました。

                   

本校の教育活動へのご協力ありがとうございました。新型コロナ禍であり制約のある毎日でしたが、無事1年を終えることができます。来年度も本校の様子等を発信していきますので、よろしくお願いいたします。

        令和4年3月18日

                          香川県立盲学校長 吉田 

校長からみなさまへ

2022年2月22日 10時00分

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 冬季オリンピックが終わりました。東京オリンピック・パラリンピックと同様に多くの感動がありました。

 私も長年バスケットボール部の顧問として生徒を指導していましたので、スポーツのもつ良さを知っています。勝つことを目指して練習内容を考え、妥協を許さず指導していました。部員たちは精一杯練習に打ち込み、上手くいかなかったときも壁を乗り越え、大会に臨みます。3年生最後の大会では、目標とする結果にならないことが多かったと思いますが、それでも部員たちはやり切った感情とともに涙を流し、大会を終えたと思っています。そして、清々しい表情で引退しました。

 冬季オリンピックでは、スキージャンプでの失格、スケートのゴール直前での転倒、カーリング女子の予選突破時など、涙と笑顔がありました。アスリートの想いを図り知ることはできませんが、私は試合後の様子にとても感動してしまいました。悔しい想いが表情に現れ、インタビューには込み上げる感情を振り絞って話していました。アスリートたちのその純粋な姿に「ありがとう。私たちを元気にしてくれて」と言いたくなり、最後まで頑張った姿は、当時の部員たちと重なるようでした。

 本校にも放課後や休日にグラウンドや卓球場で練習している姿があります。技術や体力の向上を目指して努力しています。新型コロナ禍で大会は中止になり練習の成果を披露する場はありませんでしたが、活動したことは私たち教職員や保護者の方たちは知っています。苦労もあったと思いますが、生徒自身が部活動をとおして学んだことも多く、その良さを実感したことでしょう。25年間、顧問として部員たちと毎日を過ごした日々が蘇ります。本校にもそれぞれの熱い想いがあります。3月4日からの冬季パラリンピックも楽しみです

                       令和4年2月22日  

                                                       香川県立盲学校長 吉田 

校長からみなさまへ

2022年1月11日 13時00分

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3学期始業式を行いました。児童生徒たちは元気に登校し、新鮮な気持ちで式に臨みました。

式では、私が長年数学の教員として指導してきたこと、私が感じる数学の良さを話しました。そして、京都大学で数学を教えていた森毅先生の著書である『まちがったっていいじゃないか(ちくま文庫)』という本の四 なぜ勉強するのに書かれている次の一文を紹介しました。

「数学というものは、解き方がわかってしまったあとで、力がつくことはない。解き方を身につける前の、まだ解き方のわからない間だけが、力をつけるチャンスである。解けるようになるのは同じでも、それまでのあり方で、力が身につくかどうかが、きまってくる。それに、おもしろいのも、本当は、まだ解けないで、いろいろと考えている間である。」

そして私から、勉強するとき正しい答えを出すことのみを目的とするのではなく、答えを見つけるまでの途中がとても大切である。考える時間をとおして『考える力』を身に付けることが大切だ、と説明しました。学校で学習する問題には正しい答えが一つあり、その答えを見つけていきます。このとき、正しい答えにたどり着くまでに、いろいろな解き方を考えます。いろいろな解き方を考えることが大切です。将来、答えが一つではない課題に出会うことがあったり、ある課題はすぐに答えにたどり着かない場合もあったりします。このようなときにこそ『考える力』が大切で、『考える力』があればより良い答えにたどり着きます。毎日の授業のなかで『考える力』を身に付けて欲しいと話しました。

学校に児童生徒たちの元気な声と笑顔が帰ってきました。新型コロナの感染拡大が心配されますが、感染予防を徹底していきます。児童生徒たちの学習の様子を楽しみにしています。

                      令和4年1月11日

                        香川県立盲学校長 吉田 

校長からみなさまへ

2021年12月24日 11時00分

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2学期終業式を行いました。児童生徒たちは明日から冬休みに入ります。今年1年もあっという間に過ぎ、年末を迎えようとしています。

終業式では、2学期に行われた文化祭、声の力プロジェクト、修学旅行、寄宿舎での楽しい秋まつりなどの学校行事について触れました。そして、学校行事を通して勉強とは違ういろいろな体験をすることは、人の成長にとても大切な事であると伝えました。文化祭で、本番に向けて先生と一緒にアイデアを出したり、練習したり、失敗したり、思うようにいかなかったりした体験をすることで、笑ったり、悩んだりしながら少しずつ成長する。順調に物事が進むことも大切ですが、上手くできずにあれやこれやと考えることも同じくらい大切であり、これらの繰り返しが必要であることを話しました。最後に、来年もいろいろな事にチャレンジし、今年と比べて成長することを期待していると伝えました。

冬休み中は体調に十分気をつけて、クリスマスやお正月を楽しく過ごし1月11日の3学期始業式に元気な姿で登校してもらいたいと思います。

このHPをご覧いただきありがとうございました。皆さまが良い年を迎えるとともに皆さまのご多幸をお祈りいたしまして、今年の締めくくりといたします。

                                                             令和3年12月24日

                                                                                                  香川県立盲学校長 吉田 

校長からみなさまへ

2021年12月16日 10時00分

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 毎週楽しみに見ていたドラマが、昨日最終回となりました。

このドラマは、盲学校高等部に通う弱視の生徒と顔に傷のあるヤンキー青年との間に起こるラブコメディーで、笑いあり胸キュンありのドラマでした。盲学校が撮影場所として使われていることもあり、白杖の他、拡大読書器や点字ブロック、点字が刻まれている手すりなど、本校でも日常にある風景が登場します。HR教室で3人の高等部の生徒が会話するシーンもあり、学校生活がよく表現されていました。ドラマでは「視覚障害者に関する豆知識」と題して、視覚障害者が感じる不便さや日常生活での想いが解説されます。視覚障害者は「このように感じているのか」などと、私も大変参考になりました。視覚障害者のテーマ以外にもLGBTQ、障害者の進学・就職、職場環境のテーマを取り扱うなど、社会で生きづらさを感じる人たちの様子も描かれており、社会の在り方について考えさせられました。

 本校では、視覚障害教育の専門性を有する教員が拡大読書器やICT機器を使いながら生徒の学力向上に努めています。また、歩行訓練士の資格を持った教員が、一人で屋外を歩けるようにするための歩行指導も行っています。さらに、日常生活動作などの学習のために台所や風呂場がある部屋を備えた研修棟など、本校は視覚障害教育について充実した環境が整っています。乳幼児、児童生徒、成人の教育や進路などの様々な相談・支援の窓口もあります。

学校は将来に向けて人を育て、児童生徒の夢の実現を支えるところです。夢に向かってチャレンジしたい人は、本校に連絡ください。

「ま、どっちか迷ったら行動してください」

                      令和3年12月16日       

                        香川県立盲学校長 吉田 

校長からみなさまへ

2021年11月3日 15時00分

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 本日、令和3年度文化祭を開催しました。爽やかな秋晴れのもと、本校正門付近のキンモクセイが今日の文化祭を彩るかのように心地よい香りを漂わせていました。

新型コロナも落ち着きを見せておりますが、感染予防のため昨年と同様に文化祭の規模を小さくし、体育館での学習発表と卓球場での児童生徒作品展、体育館下ピロティでの簡易販売、野外ステージでの音楽同好会の演奏、高等部保健理療科・専攻科理療科のクイックマッサージを行いました。

体育館での学習発表では、各学部の楽器を使った演奏や歌唱、「SDGs」についての発表があり、簡易販売では、収穫した野菜、作業学習で作成した作品やお菓子を袋詰めしたものを販売していました。全校生徒の数が少ないため一人一人の役割が多くなっていましたが、すべての児童生徒が主役となって活動していて、表情豊かでみんな輝いて見えました。私も音楽同好会の野外ステージで、「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌(生徒と一緒に歌えるアニメソング)を生徒たちと歌い、文化祭の盛り上げに一役買いました。参加された保護者の皆さんには、児童生徒たちとともに多くの思い出を写真に収めていただけたと思います。

生徒たちが決めた今年の文化祭のテーマは、「世界に届け!~私たちのチームワーク~」です。今日の文化祭で盲学校のチームワークを発揮して準備した学習成果を届け、さらに、連帯感や協力することの大切さを届けることができたと思います。

一般公開できず多くの方に参加していただけなかったことは残念でしたが、工夫を凝らし文化祭に向けて準備した児童生徒、先生方の熱い思いに感謝します。

 

                   令和3年11月3日          

                                                      香川県立盲学校長 吉田 

校長からみなさまへ

2021年11月1日 13時00分

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約2カ月ぶりの更新となります。9月13日から2学期が始まりました。最近では新型コロナの感染状況も落ち着いているため、感染予防を行いながら小学部遠足や理療科外来臨床実習の再開などの教育活動を行っています。

さて、視覚障害教育に関する理解・啓発のための視覚障害教育通信「eyeメール」を1026日に発行しました。私が書いた原稿の一部を掲載します。

すべての人に優しい社会

「ソーシャルディスタンス」「手指消毒の徹底」と言われても・・・。

コロナ禍において、視覚障害者にもコンビニやスーパーなどで戸惑いがあります。人との適切な距離間が分からない、消毒液がどこに設置されているのか分からないためです。そんなとき、私たちは困っている人に、自然と声をかけたり優しく手を差し伸べたりしているでしょうか。

視覚障害者が困って立ちどまっていたら「前に○歩進んでください」「○○行の電車(バス)がきましたよ」「信号が○○になりました」などと声をかけ、具体的な状況を説明し手を差し伸べてください。別れるときも「あと○○メートルほど歩いた先に○○がありますよ」と、周囲の様子を説明するなどの声かけをして離れてください。相手から「ありがとう」とお礼が返ってくると思います。障害者への優しい配慮とそれに対する心のこもったお礼は、すべての人に優しい社会の実現につながります。

本校は、本県唯一の視覚障害教育の特別支援学校として、乳幼児から成人までを対象に教育をしています。その専門性を活かして支援活動も行っており、

(略) 

本校は視覚障害教育の立場から、視覚障害者、延いてはすべての人に優しい社会の実現に向けて、その役割を果たしています。本校にいつでもご連絡ください。

私たちは、障害のある人もない人も互いに配慮しながら、すべての人に優しい社会を実現しなければなりません。そのためには、困っていることに敏感に気づき、相手の声を聴き、互いを理解し助け合うことが大切です。それがすべての人に優しい社会ではないでしょうか。

人の考えや想いはそれぞれ異なりますが、難しく構えることなく気軽に声をかけてみてはどうですか。コロナ禍だからこそ、より○○○が大切です。

(○○○→きずな(絆)、気づき、優しさ、ささえ(支え)など)

                        

                     令和3年11月1日          

                                                      香川県立盲学校長 吉田 

校長からみなさまへ

2021年8月25日 15時00分

香川県立盲学校のWebサイト(ホームページ)をご覧いただき、ありがとうございます。

 

昨日、香川県教育委員会から新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため912日まで夏季休業期間を延長するよう通知がありました。本県は、820日から国の「まん延防止等重点措置」の指定を受けており、感染拡大防止に努めていますが、県内の新規感染者数の増加や学校内での感染等が懸念されることから、本校でも新学期の始業式を913日といたしました。

さて、秋といえば「実りの秋」「芸術の秋」「スポーツの秋」などといわれ、一年の中でも過ごしやすい季節です。学習活動が深化するとともに、文化祭や修学旅行などの学校行事もあります。授業での学習活動はもちろん大切ですが、これらの学校行事でも学ぶことは多くあり、体験をとおして児童生徒の成長が見られます。新型コロナの収束は未だ分かりませんが、感染対策を十分にしたうえで保護者の理解のもと、可能な限り実施したいと思います。制約がある中での実施となるかもしれませんが、このようなときだからこそ成功を目指して協力すれば、より良いアイディアが生まれるものです。児童生徒が教員と一緒に工夫することで、これまでにない良い行事ができると信じています。新学期の始まりは少し遅くなりそうですが、2学期に児童生徒の明るい笑顔とたくましく成長する姿を楽しみにしています。

なお、HPのシステム入れ替え作業のため、1031日まで更新できません。11月から、改めて本校の様子などを伝えていきたいと思いますので、暫くお待ち下さい。これまでどおりHPの閲覧はできますので、ご活用ください。

 

                   令和3年8月25日

                                       香川県立盲学校長 吉田 稔

校長からみなさまへ

2021年7月21日 10時30分

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1学期終業式を行いました。児童生徒たちは明日から夏休みに入ります。

4月に本校に赴任して、4ケ月が過ぎ、あっという間に今日の終業式になったような気がします。この間、ほぼ毎日各教室での授業を見学し、日頃の学習の様子を知ることができました。また、新型コロナ感染症の影響もありましたが、体育祭、デイキャンプ、校外学習、七夕コンサートなどの学校行事も実施できました。(本校HPのトップにその様子があります。)それぞれの体験は、児童生徒たちの成長に繋がったことと思います。

式では、東京オリンピック・パラリンピックに出場する香川県出身選手の話題を取り上げ、夢の実現に向けて行動に移すことは大切なことであり、行動し結果が得られれば次の目標に向けて進むことができ、結果が得られなくとも行動したことは必ず役に立つことを伝えました。

「こうなりたい、こうしたい」という想いを常に持ち、実現に向けて自分が何をするべきかを考え、そして実行すること、小さなことから実行したとしても思いもつかないような大きな夢に繋がるかもしれないことを話しました。

児童生徒が、夏休みしかできない有意義な経験をし、2学期には楽しい出来事をたくさん聞かせて欲しいと伝え締めくくりました。

 

                     令和3年7月21日         
                       香川県立盲学校長 吉田 稔

校長からみなさまへ

2021年6月10日 13時00分

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PTAだより100号を521日に発行しました。記念すべき100号の原稿を書くことになり光栄です。その一部を掲載します。

 

 校庭の花たちに触れて

  (略)

さて、本校の正門付近には、ハナミズキ、サツキ、キンモクセイ、正門を過ぎて奥に行くと桜、その他農園にも多くの植物があり季節ごとに花を咲かせます。私が盲学校に着任した頃には、桜が満開でした。入学式の頃は若葉を風になびかせ、四月下旬は葉桜となり清々しさを感じました。来年の春には、美しい満開の桜の花が咲くことでしょう。桜と同じようにハナミズキ、サツキがきれいな花を咲かせましたが、初秋にはキンモクセイが花を咲かせます。これからも楽しみです。花の鮮やかな彩りに心を奪われますが、それと同時に花の香り、手触り、音を感じることも気持ちの良いものです。私も校内を歩くとき花たちに触れ、心が安らぎます。

本校の児童生徒には、花の色を感じながらも、花によって異なる匂いや風になびくことで生まれる音、季節ごとに変化する花の形から季節の移り変わりを感じてもらいたいと思います。花は私たちに色々な事を教えてくれます。児童生徒には、授業や学校行事で多様に体験することで、知識だけでなく、考え方や表現のしかたを学び、自分たちの能力を開花させ、成長することを期待しています。そして、季節が幾度か進み、卒業する頃には豊かな感受性のある人に育ってほしいと思います。

(略) 

                      令和3年6月10日  

                       香川県立盲学校長 吉田 稔

校長からみなさまへ

2021年5月15日 15時00分

 

 

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5月15日に令和3年度体育祭を行いました。新型コロナ感染症対策のため、保護者のみの公開としました。児童生徒、教職員、保護者が参加した2年ぶりの体育祭は大いに盛り上がりました。

体育祭種目には本校ならではの内容があります。「THE 盲学校レース」という競技は、生徒と教職員、生徒と保護者が組になりリレー形式で行います。白杖を使って歩行、鍼を使って課題をこなす、点字を読むなどを行います。私は、グランドソフトボールのピッチャーとしてアイマスクをし、ピッチャーズプレートからボールを転がし、ホームプレートに置いているコーンに3回当てることをしました。コーンの近くにいる生徒が手で音をたて合図をします。音の方向にボールを投げることが思ったより難しく、クリアーするのに時間がかかってしまいました。

その他、「学習発表」という競技では、体育の時間に練習してきたことを発表します。難度の高い内容でも、児童生徒たちは一生懸命に取り組んでいました。競技を見て感じたことは、児童生徒たちは自分の持つ力を精一杯出し切ろうとしていて、成果を表現できていることです。児童生徒の実態にあったものを用意し、生徒に意欲を持たせながら指導している様子がありました。その結果、発表の場で見る人が笑顔を浮かべ、会場にいる皆が楽しむことができました。先生方には感謝です。

今日の体育祭で児童生徒の成長を感じ、私も楽しむことができました。

 

                   令和3年5月15日    

                      香川県立盲学校長 吉田 稔

校長からみなさまへ

2021年4月13日 11時00分

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<校長挨拶>

 41日に盲学校第29代校長として着任いたしました。本校は、明治41年の創立以来、113年という長い歴史と伝統があります。歴代校長の取組を継承し、本校の更なる発展に尽力したいと考えています。

 さて、46日に11名の児童生徒が出席して始業式を、47日の入学式では5名の新入生を迎え、全校生徒16名で令和3年度の盲学校が始まりました。本校の校訓である「報恩、自立自営、反省」にあるように、自然や人にお返しができ、自然や社会の一員としての役割を果たし、自分の行動を振り返りそれを生かし実行ができるよう幼児児童生徒を育成していきます。

 本校は県下唯一の視覚障害者のための特別支援学校として、専門性を発揮し、関係機関と協力しながら教育を行っています。ICT機器を使った視覚障害教育の充実、寄宿舎生活をとおした社会自立への支援、『見えにくさと学びの相談センター』を設置し視覚障害教育のセンター的役割を果たす教育相談・指導支援の充実を図ることなどに取り組んでまいります。

 本校の児童生徒が自立を目指して勉学に励むよう支援していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

<香川県立盲学校について>

 香川県立盲学校は、明治41年4月に私立香川県盲唖学校として開校し、大正11年、現在の敷地に校舎が落成しました。大正13年には県立に移管され、香川県立盲学校・聾唖学校の名称で発足し、昭和23年には新学制に基づき、香川県立盲学校と香川県立聾学校に分離されました。昭和29年に聾学校が高松市太田上町(現在の聾学校の場所)に移転するまで、同じ敷地内に盲学校と聾学校が併置されていました。今年で開校113年、盲学校単独校になってから73年の歴史と伝統のある学校です。

 本校は、香川県下で唯一の視覚に障害のある子どもや成人の方のための学校です。学部としては幼稚部、小学部、中学部、高等部があり、高等部には普通科と保健理療科、専攻科理療科があります。令和3年度は幼稚部には在籍者はなく、小学部から専攻科までの児童生徒数は16名です。

 視覚障害についてですが、一般的には盲学校の「盲」という言葉から、全く目が見えない生徒が学んでいるというイメージを持たれているかもしれません。視覚障害者には、矯正視力が0.3未満の弱視者と0.04未満の全盲者がおり、視覚障害者全体では弱視者が8割程度と言われています。弱視であっても見え方は様々で、学校では一人一人の見え方に応じて工夫を凝らした学習に取り組んでいます。また、全盲の生徒はもちろんですが、弱視の生徒も移動のための歩行訓練や日常生活の訓練にも取り組んでいます。「見えない、見えにくい」幼児児童生徒一人一人に配慮した、専門性の高い教育を実践することで、一人一人の願いがかなう学校をめざしています。

また、本校は職業教育にも力を入れており、あん摩マッサージ指圧師をめざす保健理療科、あん摩マッサージ指圧師に加え、(はり)()(きゅう)()めざ理療科があります。年間勉強して卒業しますと、それぞれの国家試験受験資格が得られます。これまでも多くの卒業生が、あん摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師として自分の夢をかなえ、社会で大いに活躍しています。

加えて、視覚障害教育のセンター機能を果たすため「見えにくさと学びの相談センター」を設置して、香川県内の視覚障害のある乳幼児から成人まで、またその保護者の相談に対応するとともに、県内各学校園にも本校教員を派遣して学習支援等にも取り組んでいます。本校独自の研修会も開催しています。見え方に困難を抱えており、将来について迷っている方、悩んでいる方は、ぜひ本校にご連絡、そしてご来校ください。お知り合いで、そのような方がいらっしゃいましたら、どうぞ本校のことをご紹介いただければと思います。

「自分の願いがかなう」学校をめざして、教職員一同、保護者、地域、関係機関とのつながりを一層深めていきます。今後とも、本校の教育活動にご理解とご協力、ご支援を賜りますようお願いいたします。

  
                       令和3年4月     
                        香川県立盲学校長 吉田 稔