校長からみなさまへ

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2020年6月25日 09時29分

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<第1回かがわロービジョン研修会を開催しました>

 

今週初め6月22日の午後から、コロナ禍で延期していた「第1回かがわロービジョン研修会」を開催しました。昨年度までは、「弱視教育担当者研修会」の名称で本校のセンター的役割を担う視覚障害教育支援センター(見えにくさと学びの相談センター)が中心となって、県内の弱視学級を担当する先生方を主な対象として、視覚障害教育の専門性をお伝えすべく年間3~4回ほどの研修会を開いてきました。しかし、この研修会も年々回を重ねるうち、教育だけでは解決できない課題がたくさんあることが分かり、医療、福祉等の関係する方々だけでなく、本校生徒も含め弱視のある児童生徒、社会で活躍する当事者にも参加して話をしていただくなど、中身を発展させてきました。こうしたことから、今年度新たに研修会の名称を「かがわロービジョン研修会」に変更し、学齢期から社会参加後まで途切れることのない支援体制をつくるための学習の場、連携の場を目指すこととしました。

 

因みに、ロービジョン(Low Vision)とは、何らかの原因により視覚に障害を受け、見えにくさのために日常生活において不自由さをきたしている状態を指します。元々医学用語として使用されてきた弱視とほぼ同じ意味で使われています。

 

当日は、小学校から2名、高等学校から3名の先生方、医療の立場から、かがわ総合リハビリテーションセンター病院の眼科医の先生、福祉の立場から、香川県視覚障害者福祉センターで歩行訓練や生活支援を担当している職員の方、そして本校の担当者が参加しました。最初は「視覚障害のある子どもの理解と支援」と題して、本校教員より教員向けのお話をしました。そのあと、香川県視覚障害福祉センターの紹介と相談事例の紹介がありました。

福祉センターの方の相談事例をとおして考えさせられたのは、「障害受容」ということでした。視覚障害に限らず、人間の身心を考えたときに、身心の一部の機能が著しく低下して、今まで誰の援助もなく普通にできていたことが急にできなくなる、それが医療等によっても改善する見込みがない場合、その状態を素直に受け入れられるかということです。正直、自分がそのような状態になったとき、それをすぐに受け入れられるか、自信はありません。教師として過去の自分を振り返ってみたとき、障害のある生徒たちに対して「自己理解」や「自己受容」の大切さのみを前面に出して、それを乗り越える努力が当然のことのように生徒と向き合ってきたのではないかと考えさせられました。確かに自分の苦手なことやできないことを理解して、その後の人生を歩んでいくことは大切です。得意なことやできることに視点を当て、その力を伸ばし、本人に自信をつけることで、生徒たちは社会参加を果たしてきたと思ってきましたが、果たして本当にそうだったのでしょうか。「自己受容」をしても安心して前に踏み出すことができる周囲の環境を、教師として整えることができていたのでしょうか。「障害受容」の話を聞きながら、何人もの生徒の顔が頭の中に浮かびました。

私の頭の中はこれくらいにして研修会の様子に戻しますが、センターの方の話のあと、眼科医の先生より、眼科を受診してから学校も含めた関係機関につないでいくまでの流れについて、事例をもとにお話がありました。また、ロービジョンケアのために医療、教育、福祉、行政等が連携して組織している『よつばネットかがわ』の紹介もありました。『よつばネットかがわ』については、次の機会に詳しくお話しします。

それから、本校若手教員によるUDブラウザの使用方法や申請方法などの説明も行い、最後には研修会参加の小学校、高等学校の先生方と本校職員との間で、各校に在籍するロービジョンの児童生徒のことについての情報交換がなされました。

第2回目の研修会は8月17日(月)、ロービジョンの当事者で愛知教育大学の特別支援教育講座で教鞭をとられている相羽大輔先生をお招きして、講演を中心に開催します。関係の皆さまには、追ってお知らせいたします。どんなお話が聞けるか、今から楽しみです。

 

令和2年6月25

香川県立盲学校長 田中 豊

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2020年6月18日 18時08分

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<小学部でおはなし会がありました>

 

今日6月18日の5校時、小学部のおはなし会で絵本の読み聞かせをしました。先週の8日に、小学部の図書係の児童から、3冊の絵本を読んでほしいと依頼されていたのですが、今日がその本番でした。おはなし会に参加してくれたのは、小学部3、4、6年生がそれぞれ1名ずつ、合わせて3名の児童と担任の先生方でした。

最初に読んだ絵本は『とんとん とめてくださいな』(文・こいでたん、絵・こいでやすこ 福音館書店)という絵本です。ハイキングに出かけた3匹のねずみが森の中で道に迷ってしまい、日もとっぷり暮れて霧も出てきたので、森の中で見つけた一軒の家にお邪魔することになりました。「とんとん、とめてくださいな。」とドアをノックしても中には誰もいません。疲れていたねずみたちは、その家で一晩泊めてもらうことにしました。ねずみたちがベッドにもぐりこんでいると、外から足音が聞こえて、「とんとん、とめてくださいな。」と声が聞こえ、そっとドアを開けて入ってきたのは、道に迷った2匹のうさぎでした。次に道に迷ってやってきたのは、3匹のきつね。そして最後に家に入ってきたのは、黒い大きな熊、みんなは震え上がりましたが、実はこの家の優しいくまおじさんでした。くまおじさんは、道に迷ったひとを助けるのが仕事。人でも動物でも見かけで判断してはいけないこと、また「とんとん、とめてくださいな」というリズムのある繰り返しの言葉が心地よい絵本でした。

視覚障害のある児童には、点字付きの絵本や立体絵本、触素材を使った絵本などがありますが、通常の絵本を使った読み聞かせも行っています。絵本の楽しさは、やはりそこに描かれた「絵」にありますが、文の表現も豊かで精練されていて、ひと言ひと言に深みがあります。文だけでも十分にストーリーが分かる絵本もありますが、最小限の文だけのもの、中には擬声語や擬態語のみで、「絵」だけで楽しめる本もあります。全盲の児童に絵本を読むときには、「絵」で描かれた情景や登場人物の表情などに説明を加えることがあります。少し説明があれば情景や表情などが思い描きやすくなり、想像力も広がります。しかし、「絵」を説明しすぎると文の流れや調子、音韻が止まってしまいます。その加減が難しい。読み手も繰り返し繰り返し子どもたちの前で経験を積むことで、子どもたちの表情や反応を楽しみながら、その技術を磨くことが求められます。

そのほか今日は、『おこる』(作・中川ひろたか、絵・長谷川義史 金の星社)、『ちくわのわーさん』(作・岡田よしたか ブロンズ新社)の2冊を読みました。さて、今日の子どもたちの反応は…。みんな耳をしっかり傾けてくれて、まだまだ力不足な私の読み聞かせを表情豊かに聞いてくれました。タイムリーな子どもたちの反応にときどき脱線しながらでしたが、子どもたちも楽しめたようでホッとしました。子どもたちの想像力、それは空想の世界かもしれませんが、無限に広がっていると思います。この想像の世界があるから、子どもたちはそこでいっぱい遊び、想像力を身につけ、心が豊かになっていきます。この経験が、大きくなって「生きる力」につながっていくのではないでしょうか。

しかし、それがだんだん年齢を重ねていくと、現実の世界でしなければならないことが増えて、想像の世界を楽しむ時間や余裕が減ってきます。いま、大人も含め、「想像力の低下」とか、「想像力の欠如」が言われています。大人こそ絵本を読んでみる、難しいことは考えず絵本の世界にどっぷりつかってみる、絵本の魅力を見直してほしいなあと思います。

今日の楽しいひと時をくれた子どもたちや担任の先生方に感謝です。ありがとうございました。

 

令和2年6月18日

香川県立盲学校長 田中 豊

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2020年6月11日 17時37分

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 <第1回学校評議員会を開催しました>

 

昨日、6月10日、今年度第1回目の学校評議員会を開催しました。学校が本格的に再開されてまだ2週間も経過していない状態でしたが、この年度末から年度初めにかけて、今まで経験したことがない「コロナ禍」に対する学校の様子もタイムリーにお伝えしたいと思い、年度当初の予定どおりの期日で実施しました。

本校の評議員さんは、視覚障害者福祉センターの館長さん、眼科医の先生、老人対象のデイサービスセンターで機能訓練指導員をされている本校理療科の卒業生の方、そして本校元校長の4名にお願いしており、当日は全員が出席されました。30分ほど授業参観をしてもらったあと、コロナ対策も含め、今年度の本校の重点的な取組等を説明しました。最後に、評議員の皆さんからご意見や感想を伺いました。

 

なかでも、本校卒業生の評議員さんの話が心に滲みました。「6年前に盲学校を卒業して(社会福祉法人が運営する)デイサービスセンターに就職した。あん摩マッサージが主な業務であるが、一日のうち、あん摩の仕事は6割。残りの4割は利用者の食事介護やバイタルチェックなど、あん摩以外の様々な仕事に取り組んでいる。就職して1年ほど経った頃、本部長から、期待以上の仕事をしてくれていると褒められた。やっぱり嬉しかった。周囲は一生懸命やっていれば必ず見てくれている、認めてくれる…。」当然、大もとにはご本人のあん摩技術の素晴らしさがあると思いますが、何気ない気配りやコミュニケーションの力が残り4割の仕事の中に生かされているからだろうと感得しました。あん摩・はり・きゅうの技術レベルを高め、国家試験に合格することが理療科の最終的な目標ですが、在学中に『仕事の本質』部分も身につけられるようにすることも、同じくらい大切だと気づかされました。

 

また、眼科医の評議員さんからは、「眼科医として患者さんに対しては、今まで福祉(サービス)につなげていくことが多かったが、盲学校の様子や取組を聞いて、教育を受けることによって社会貢献ができる、社会で輝くことができることがよく分かった。」との感想をいただきました。障害があってもそれぞれの個性や特性が認められ、そして大切にされる社会。その個性や特性を生かして働くことができる社会。障害があっても働けることで自分に自信をもち、自分のことが好きになる社会。「共生社会の実現を目指す」ことが言われて久しいですが、「選択と集中」という名のもとに、本当に必要なものが切り捨てられているような世流の中にあっては、その達成は遠い道のりであるようにも感じます。でもこの道をライフワークとして歩んでいる以上、自分の役割を再確認し、自己点検しながら地道にやっていくことが私の使命です。

 

そのほか、本校のセンター的役割についてもご意見をいただきました。本校は、在籍する幼児児童生徒だけでなく、県内の視覚に障害のある幼児児童生徒全員の教育に責任を持つ気概で、「見えにくさと学びの相談センター」を設置しています。主には視覚障害のある幼児児童生徒、その保護者、担任等だけでなく、成人への教育相談、児童生徒同士の交流の場の設定や関係機関も含めた研修会など、業務は多岐に亘っています。また、視覚障害(児者)に対する理解啓発活動も担っています。「相談センター」といっても、特別な部署がある訳でも別に職員が配置されている訳でもなく、本校の教職員全員が分担してその任に当たっています。

(*詳細は「視覚障害者支援センター」のバナーをクリックしてください。)

この「相談センター」も、本校が果たすべき重要な役割であり、盲学校の存在価値を高める活動です。「視覚障害のことなら盲学校に聞け」と言われるためにも、その専門性を担保できるよう研鑽を重ねていかなければなりません。111年の伝統に胡坐をかかず、緊張感をもって学校運営をする、そんな思いを新たにした一日でした。

 

令和2年6月11日

香川県立盲学校長 田中 豊

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2020年6月8日 17時03分

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 <プール学習が始まりました>

 

高松気象台のホームページによりますと「四国地方は、5月31日ごろに梅雨入りしたとみられます。今年の梅雨入りは、平年(6月5日ごろ)と比べ5日早く、昨年(6月26日ごろ)と比べ、26日早い梅雨入りとなりました。」とのことで、5月31日は雨が降りましたが、それ以降は降雨もなく段々と気温も上がってきています。今週半ば水曜日あたりから曇りとなり週末にかけては雨模様になるようです。今日の職員室の温度計は28.4℃でしたが、風も心地よく、過ごしやすい一日でした。しかし外に出ると日差しは強く、真夏はそこまで来ている感じです。

 

本校では、今日から体育の授業で水泳(プール学習)を始めました。今年度の水泳の開始にあたっては、国や県の通知、ガイドライン等を基に実施の是非も含めて慎重に検討しました。授業でプールを利用する児童生徒の人数は多くて3、4人までであり、更衣も少し時間帯をずらしたり教室で着替えたりするなど密集・密接にも配慮することで、実施の判断をいたしました。課題は教員が水泳時に着用するマスクでしたが、体育主任が市販のプール用マスク(価格は10枚入りで何と29,800円)のネット画像を参考に手作りしてくれました。クリアファイルを切り抜いて、隆鼻が当たる部分にはスポンジでパッドもつけてくれており、水泳指導に係る教員の数だけ作成してくれました。できない理由をつけるのは簡単ですが、できるように努力や工夫をする姿勢は本当に素晴らしいと思います。児童生徒も1年ぶりの水の感覚を全身で楽しんでいるようでした。プールでの学習は思いのほか体力を使いますので、十分な健康観察を心がけ、無理のないよう取り組みたいと思います。また、水質の管理も含め、感染症に対する衛生管理も十分に取り組んでいきます。

 

さて、今日の6時間目に、小学部の児童が校長室を訪ねてくれました。ときどき昼休みに校長室に遊びに来てくれる児童ですが、私のことが大好きで来てくれると勝手に思い込んでいるのですが、実は校長室の入口ドアが好きで、ドアが閉まる「カチャン」という音や、ドアノブから伝わる感触を楽しみに、いつもドアを開けたり閉めたりして遊んでいます。でも今日は遊びではなく、小学部の図書係として、私に絵本の読み聞かせを依頼するためにやってきました。お願いする言葉を教室で何度か練習したようで、担任の先生もついてはいましたが、授業中であることも十分理解して、ドアで遊びたい気持ちも我慢しながら一人ではきはきと話をしてくれました。

絵本の読み聞かせについては、普段は高松市立図書館に登録している読み聞かせボランティアの方々に来ていただいています。しかし、今学期に限っては感染症のこともあり、外部の方の来校はできるだけ見合わせるということで、私に大役が回ってきました。

手渡された絵本は3冊、読むのは6月18日、まだ日にちがあるので、それまでしっかり読み込んで、小学部の子どもたちに感動を与えられるよう頑張ります。私も楽しみたいです。

 

令和2年6月8日
                                 香川県立盲学校長 田中 豊

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2020年5月29日 17時02分

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 <臨時休業が終わり、いよいよ来週から通常授業です>

 

4月13日から始まった臨時休業日も、本日5月29日をもって終了、来週6月1日から通常の授業が再開されます。給食も開始し、寄宿舎の利用もできるようになります。7週間にわたる長い臨時休業でしたが、幼児児童生徒のみなさんも先生方も、ほとんどが体調を崩すことなく健康でこの期間を乗り切ってくれたことに、まず感謝いたします。この間、保護者のみなさまには、多大なるご苦労やご不便、ご心配をおかけしました。ご理解とご協力をいただきましたことに、あらためてお礼申し上げます。ありがとうございました。

学校は再開しますが、感染症対策には継続して取り組んでいきますので、これまでと全く変わらない学校生活を送ることは難しい状況です。学習活動にも制約が出てきますし、子どもたちが楽しみにしている行事なども実施できない場合があります。また、不足する授業時間を補うために7時間目の授業や課外の時間を増やしたりすることで、生徒のみなさんにもしんどい思いをさせることもあろうかと思います。お気づきになることがございましたら、どうぞ遠慮なくお声がけください。

 

さて、これからの生活全般に対して、「新しい生活様式」とか「新しい日常」という言葉が盛んに言われるようになりました。5月22日には県教委より「学校再開時の感染症予防対策ガイドライン」が示され、「学校から始める新しい生活様式」とサブテーマがついていました。この感染症とは長期間つき合っていくという前提のもと、そのリスクを低減するための3つの条件(換気の悪い密閉空間、多くの人が密集、近距離での会話や発声)が同時に重なるのを避けることを基本として、学校生活全般においてチェックすべき事項が書いてありました。このガイドラインを参考にしながら、気を引き締めて慎重に、工夫しながら学校運営に取り組んでいきたいと思います。

 

ガイドラインとともに、県教委から「学校生活からはじめよう 3つの‟思いやり“で感染予防」というポスターが送られてきました。「新しい生活様式」と言われると、何か押しつけられているような感覚を持つ人にも、‟思いやり“という優しい表現だと伝わりやすいのではないでしょうか。とてもいいポスターだと思います。QRコードもついています。早速、校内のあちらこちらに、こんな感じで貼らせてもらいました。

 

ではまた来週、幼児児童生徒のみなさんが、明るく元気に登校してくれることを心からお待ちしています。

 

令和2年5月29日               香川県立盲学校長 田中 豊

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2020年5月15日 17時40分

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 <国の緊急事態宣言は解除、臨時休業は予定どおりです>

 

5月14日、特定警戒都道府県のうち5県も含め39県については国の緊急事態宣言が解除されました。それを受けて翌15日には本県でも対策会議が開かれ、学校の再開時期についても検討されたようですが、県立学校の臨時休業は予定どおり今月末まで継続となりました。

 

6月からの学校再開に向けての準備期間として、県教委より25日(月)から分散登校による授業可能との連絡がありましたが、本日、新たに21日(木)から段階的に授業を実施してもよいとする連絡がありました。本校の21日以降の予定については、5月8日付の保護者配布プリントのとおり(21日は臨時休業日、22日は午前中の登校日)とします。追ってお知らせすることとしておりました25日からは、終日の登校日を毎日設けることにしました。

本校は全校幼児児童生徒17名の学校です。各ホームルーム教室に在籍する児童生徒は多くて2名であり、密集ではありません。2名の教室内でも、児童生徒間、児童生徒教員間に2mの距離、いわゆるソーシャルディスタンスを確保することが可能です。窓を開けて密閉も回避し、心地よい薫風も感じながら授業ができます。できるだけ児童生徒と密接しないよう配慮して授業に取り組みます。しかし、視覚障害児者が移動するときには「手引き」が必要な時があり、「手引き」をするときには言葉かけが重要になります。全盲の生徒であっても校内で手引きをすることはほとんどありませんが、手引きをする場合には十分気をつけたいと思います。

臨時休業中の給食は提供できませんので、25日から29日の間は弁当を持参していただくようになります。弁当の持参が難しい児童生徒は、申し訳ありませんが午前中のみの登校とさせていただきます。寄宿舎については、舎食(朝食・夕食)が準備できず宿泊が難しいため、寄宿舎生は通学をお願いします。風邪症状や微熱があるとか、体調不良のときには無理せず自宅で静養してください。

感染症予防対策には徹底して取り組み、マスク着用や手洗いだけでなく、教室や学校備品の消毒なども全職員で協力して行い、気を緩めず、緊張感をもって幼児児童生徒を迎えたいと思います。校内から感染者を出さないことが第一ですが、万が一感染が出た場合でも、事後の対応を的確に行い感染を広げないことと、感染した人への偏見等が生じないよう暖かく配慮します。

 

この感染症は細心の注意を払っていても、誰もが感染する可能性があると言われています。恣意的な行動により感染してしまった人はさておき、感染したほとんどの人は、ウイルスが引き起こす病への恐怖とまさか自分がというショックを受けるだけでなく、どうしても自責の念を抱いてしまうのではないかと思います。そのような精神状態にもかかわらず、周囲から厳しくまた好奇の眼で見られると、ウイルスに打ち勝とうとする気力も萎えてしまいます。

医師であり作家である鎌田實さんが、いつぞやの新聞に「感染した人に厳しい社会は、感染症に弱い社会」と書いていました。確かに、用心に用心を重ねて感染していない人の側から見ると、感染した人はどこかに油断や隙がある人と映ってしまい、その人への見方は厳しくなる、そんな心理状態になるのも理解はできます。でも、頭の中でそういう考えが過ったとしても、大概の人は感染した人の心情を慮り、当事者意識をもつことで態度や行動に表わさないのが普通です。しかし、これだけ自粛の期間が長くなり、今まで普通にやってきたことができないというストレスが重なってくると、それに耐えられずに態度や行動に出してしまう。結果として感染者を排斥するような他人に厳しい社会、お互いに監視し合うような社会が出現する。この延長線上には、社会的に弱い立場にある人たちまで排除する社会がくるように思います。こうなると、鎌田實さんがいう「感染症に弱い社会」が現実のものになってしまいます。これは絶対に避けなければなりません。

 

人間はまず自分中心に物事を思考します。これは当たり前です。自分が心地いい状態、幸せだと思わなければ他人(ひと)のことなど考えられませんし、ましてや他人を幸せにすることもできません。でも、その他人が自分の大切な他人だったらどうでしょう。また、その大切な他人にとっての大切な他人だったらどうでしょう。そう考えることができれば、きっと他人の幸せも少しずつ考えられ、他人にも優しくできると思います。大切な他人が喜ぶ顔を見て、自分も嬉しいと感じない人はいないはずです。

この感染症を機に、「感染症に弱い社会」ではなく、他人に優しく誰もが取り残されない新たな「感染症にも強い社会」をつくりたい。そのために少しでも力を尽くしたいと思います。

 

令和2年5月15日

 

香川県立盲学校長 田中 豊

校長からみなさまへ

2020年5月8日 14時43分

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<緊急事態宣言が延長されて>

 

 今日は令和2年度PTA総会がありました。臨時休業中でしたが現PTA会長のお子さまも卒業され、会長交代の時期でもありましたし、新年度予算の承認等も必要でしたので、ご心配や不安もあったようですが、登校日に合わせて開催しました。欠席の方には委任状もいただきました。総会では新会長さんや各役員さんも承認され、議事についても無事に審議を終えることができました。予定した時間より少し伸びましたが、審議にご協力いただきありがとうございました。

 さて、5月4日、総理大臣より全国の緊急事態宣言を延長するとの会見がありました。時期としては今月末までということで、それを受け、5日に本県でも対策本部会議が開かれ、県立学校は全て5月末まで臨時休業が延長することとなりました。1週間前の総理大臣の発言である程度予想はしていましたが、6月から本格的に再開するとして、学校もその後の予定を組み直さなければなりません。すでに、生徒等が関係する以下の文化的行事や対外のスポーツ大会が中止になっています。(年度は省略)

 ◆中国・四国地区盲学校弁論大会徳島大会(6月4日・5日)

 ◆中国・四国地区盲学校体育大会山口大会(6月26日・27日)

 ◆全国盲学校フロアバレー大会兵庫大会(8月18日~20日)

 ◆全国盲学校弁論大会岐阜大会(10月2日)

 ◆科学へジャンプinひろしま(11月22日)

 中国・四国地区の大会は、他県からの参加生徒に顔見知りも多く、また出会えることを楽しみにしていた生徒のみなさんにとって、大変残念な思いもあるでしょう。特に高等部3年生は、すべてが学生最後の大会です。中国・四国地区の大会については、何とか開催できないものかと各盲学校長同士で検討もしましたが、難しいとの最終判断に至りました。イメージしていた盲学校生活最後の一年への期待に応えられなくて、本当に申し訳なく思っています。加えて、大学受験に向けての学習や事業所等への就労に向けた学習に対しても、大きな不安を抱いているものと思います。校内でも各教科等の授業確保のために学校行事も見直さざるをえませんが、生徒のみなさんの意見も聞いて考えたいと思います。また、夏季休業日については期間を短縮し、7月末まで1学期を延長するとともに、8月24日から2学期を開始する予定にしています。

 話は前後しますが、29日までの臨時休業中にも各担任より学習課題をお渡ししますので、児童生徒のみなさんは、生活リズムを崩さないようしっかり取り組んでください。5月25日以降については、18日の県内の感染状況等にもよりますが、分散登校による授業が可能という連絡もありましたので、本校では、少人数の良さを生かして授業が開始できるよう調整中です。来週中には、生徒・保護者のみなさまにお知らせできると考えています。

 この新型コロナウイルスに対しては、政府の専門家会議から「新しい生活様式」という提言がなされています。今後もこの感染症と向き合いながら生活していかなければならないという意味で、「新しい」という表現をもって私たちの生活を変えるべきであるとの内容です。具体的に取り組むべきことの詳細は、厚生労働省のホームページや新型コロナウイルスに関する特設サイト等をご覧いただければいいのですが、何かしっくりこない感じもします。

 日常生活の中で気をつけることの一つに「身体的距離の確保」と示されていますが、仕事に関していうと身体的距離の確保が難しい職業がたくさんあり、その最たるものがあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師です。業界ではこれの頭文字をとって「あはき師」とも表現します。そのほか、「師」のつく職業、例えば医師、看護師、助産師、保健師、理容師、美容師などは、対象となる人々に直接触れることで成り立つ職業です。提言では、正面からの接近した会話なども控えるよう示されています。「あはき師」を考えた場合、患者に触れるだけでなく患者と会話しながら身体の状態を把握し、最適な施術を試みます。また提言の最後には、業種ごとの「感染防止ガイドライン」を作成することが求められていますが、身体に触れる職業そのものに対する偏見やそれを忌避する雰囲気につながらないか心配です。現在、「あはき師」を正業としている多くの卒業生や、いま理療科で「あはき師」をめざしている在校生にとって、希望の持てる「新しい」生活様式を私たち自身も考えていかなければなりません。コロナ禍の収束に向けて、専門家からの提言を守って生活するべきだとは思います。しかし、そういった人からの指示を待って思考を停止させるのではなく、それを受けて、自分はどう考えるのか、当事者意識をもって行動することが大切ではないでしょうか。

 教師も「師」のつく職業です。遠隔授業も新たな発見があったりして今後も展開していくべきだと思いますが、身体的距離は確保しながらも正面で向き合って伝え合う、お互いの熱気も感じながらぶつかり合って授業をすることに教師としての醍醐味がある、私はそう思っています。

 まだしばらく自粛する日々が続きますが、再開後の学校生活を思い描いて、準備しておきます。

 

令和2年5月8日

 

香川県立盲学校長  田中 豊

 

 

 

校長からみなさまへ

2020年5月1日 14時14分

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 <臨時休業中の登校日を実施して>

 

臨時休業期間が5月8日まで延長になっていますが、学校の状況に合わせて登校日を設定してもよいということで、本校は5月1日と8日に、午前中だけですが登校日を設けることとしました。

先生方の勤務も4月20日から臨時休業中の在宅勤務が始まり、寄宿舎の先生方も含め3グループに分け、1グループずつ出勤することとなりました。

今日5月1日は、幼児児童生徒17名のうち11名が登校してくれました。先生方も全員出勤し、学校も明るい雰囲気となり普段の様子を取り戻したようです。

今回の感染症に係る県内の状況は、4月20日に2名の感染者が報告されて以降踏みとどまっています。油断は禁物ですが、感染阻止への県民意識が高いことや協力する姿勢、行動が功を奏しているのではないかと考えられます。首都圏の感染者も、やや減少傾向にあるように思いますが、昨夕の総理大臣の会見では「全国緊急事態宣言」を延長する方向で検討との発言があり、いつになったら学校が再開できるか正直不安です。

いま、学校という場で学ぶことができない状況に対して、本校では高等部普通科の一部生徒について、オンラインでやり取りができるアプリを活用して一部の教科ではありますが遠隔授業や補習に取り組んでいます。この難局に対して、やれない(やらない)理由を探すのは簡単ですが、可能な方法を探しチャレンジする先生方がいることは、たいへん頼もしく嬉しいことです。ただし、生徒の自宅にインターネット環境があり、生徒自身が情報リテラシー(情報を扱うモラル)をもってパソコンやタブレット端末を扱えるという前提が必要です。また本校では、弱視の児童生徒のために開発されたUDブラウザというタブレット端末用のアプリを使って、教科書の中身を各児童生徒が持つタブレット端末にPDF版拡大教科書(デジタル教科書)としてインストールしています。こういった環境も、遠隔授業を推進する要件となっています。このUDブラウザを使うと、インストールしている教科書を自分が見やすいサイズに拡大したり、読み上げてくれたり、白黒反転させたり、書き込んで保存したり、しおりをつけたり…と普通の教科書ではできないことが可能で、現在もその研究開発が続けられています。

(※UDブラウザの詳細については、本校にお問い合わせください。)

今日は児童生徒だけでなく、先生方にも笑顔があふれ、とても生き生きとした表情を見ることができた嬉しい一日でした。これからも、現場の先生方が頑張っていることをお伝えできたらなあと思っています。

 

令和2年5月1日

香川県立盲学校長 田中 豊

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2020年4月20日 14時12分

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 <臨時休業の延長について>

幼児児童生徒・保護者のみなさまへ

4月20日(月)、県教委より臨時休業期間延長の通知がありました。4月24日までとなっていた臨時休業の予定が、5月8日(金)まで延長となりました。何とか2週間で臨時休業が終わり、幼児児童生徒の明るい笑顔と元気な声が戻ってきてほしいと祈っていましたが、願いはかないませんでした。この社会情勢から判断すると仕方がないと言えばそれまでですが、やはり残念でやりきれない気持ちです。

本県の状況については、皆さまもよくご存じとは思いますが、感染の拡がりが下火に向かうといった感じはありません。新型コロナウイルスの正体がよく分からないことに加え、感染経路が不明である事例が多くなっていることが、不安への拍車をかけているように思います。

人は不安になるとストレスを感じ、またストレスを感じると不安になり、その不安やストレスを何かの形で解消しようと自己防衛本能が働くといわれています。これが過剰になると、自分を守るためという名目で相手への思いやりの心が薄れてしまい、自分勝手な行動をしたり、周囲の人を非難し攻撃したりすることで、不安やストレスから逃れようとします。いま命を懸けて仕事をしている医療関係者の子どもたちが誤った偏見をもたれ、差別的な言動を受けていることなどが報じられていますが、これはまさにその典型ではないでしょうか。自分の心にそのような思いがないか、そのような行動をとっていないか、私自身も自己点検をしなければと思っています。

4月14日の朝日新聞朝刊に、絵本作家の五味太郎さんが『休校はチャンスだぞ』という標題で、新型コロナウイルスで休校になっている子どもたちへのメッセージが寄稿されていました。そのなかで、このようなことが書かれていました。

「心っていう漢字って、パラパラしてていいと思わない?先人の感性はキュートだな。心は乱れて当たり前。常に揺れ動いて変わる。不安定だからこそよく考える。もっと言えば、不安とか不安定こそが生きていることじゃないかな。」

なるほど、と思いました。とは言え、いまはこれまで経験したことがない不安や不安定を感じている状況です。でもこの状況だから気づくこと、考えること、今までの枠組みに対して別の角度から焦点を当ててみること、そして、いま一度自分を見つめ直してみること。自宅に居てもできることはたくさんあります。どうぞ十分に体調を管理していただき、5月1日の登校日にお会いできればうれしいです。

 

令和2年4月20日

香川県立盲学校長 田中 豊

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2020年4月10日 14時09分

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 <突然の臨時休業に際して>

本校は4月6日にお世話になった先生方の離任式、そして始業式を行い、翌7日には入学式や寄宿舎の入舎式を挙行しました。始業式のあとには、県立高等学校から高等部3年普通科に転入する1名の生徒を紹介しました。全校幼児児童生徒17名という規模の小さな県立学校ですが、35日ぶりに明るい笑顔と元気な声が校内に春を呼び込んでくれました。

始業式・入学式とも体育館の窓を開放し、座席の間隔も広くとり、全員マスクを着用するなど感染症防止対策のうえ実施しました。入学式では、高等部普通科1名、専攻科理療科2名の生徒が、新しく本校の仲間に加わりました。来賓の臨席こそありませんでしたが、式はいつもどおり厳かに行われ、新入生も本校で学ぶ決意を新たにしていただけたものと大変うれしい気持ちでした。新しく本校に赴任した4名の先生方、2名の寄宿舎指導員の先生も、ワクワクしながら教室や舎室の整備、授業の準備などをして、やっと子どもたちと笑顔で出会うことができたところでした。

ところが、4月8日午後に県知事より県立学校の臨時休業についてお話があり、13日の月曜日から24日の金曜日までの2週間、学校が全てお休みになります。新年度がスタートして3日目のことで、正直なところ現場には落胆と戸惑いがありました。学校が再開して新しい教科書を手にした児童生徒も、がっくりした表情でした。働いている保護者からは、日中の児童の居場所確保のため、また児童デイサービスとの調整をしなきゃ…との声も聞かれ、昨年度末と同じようなご負担をおかけすることにたいへん心苦しい思いがしました。また、先生方には急きょ2週間分の学習課題を作成してもらい、10日には児童生徒が持って帰れるよう依頼しました。急な依頼にも、一所懸命に対応してくれる本校の先生方を誇りに思っています。

 

香川県はまだまだ感染者が少ない状況ですが、元気な若者は感染しても症状が表れにくいと言われています。感染しても気づかずに、他の人に感染を広げてしまうかもしれません。特に高等部や専攻科の皆さんには、責任をもった行動を心がけてほしいと思います。

どうぞみなさん、体調には十分留意していただき、この2週間という困難な状況を乗り越え、臨時休業を終わらせましょう。4月27日には、明るく笑顔でお会いできることを楽しみにしています。

 

令和2年4月10日

香川県立盲学校長 田中 

校長からみなさまへ

2020年4月7日 14時06分

香川県立盲学校のWebサイト(ホームページ)をご覧いただき、ありがとうございます。

 

<令和2年度を始めるにあたって>

まず、令和2年度が予定どおり始められますこと、感謝の気持ちで、大変有難いことだと思っております。昨年度3月当初から、新型コロナウイルス感染拡大防止措置により、学校が臨時休業になりました。学年のまとめをする一番大切な時期に、幼児児童生徒のみなさんには不安と焦燥感を与え、ご家庭にも様々なご負担をおかけいたしました。休業中のご対応に厚くお礼申し上げます。私たち教職員も、学校にいるべき幼児児童生徒がいない、声も聞こえない非日常を、寂しく、もどかしく、悔しく感じるとともに、普通であることの有難さと幼児児童生徒の存在の大きさに改めて気づかされました。

新型コロナウイルスの感染は一向に収まる気配はありませんが、本校では厳重な感染予防対策を取りながら学習活動を進めて参ります。学校での安全・安心のために、様々な制約を生じることもあろうかと存じますが、保護者のみなさま、関係のみなさまにおかれましては、これまでと変わらぬご理解、ご支援とご協力をお願いいたします。

一緒に力を合わせて、この困難な状況を乗り切りましょう。

 

<香川県立盲学校について>

香川県立盲学校は、明治41年4月に私立香川県盲唖学校として開校し、大正11年、現在の敷地に校舎が落成しました。大正13年には県立に移管され、香川県立盲学校・聾唖学校の名称で発足し、昭和23年には新学制に基づき、香川県立盲学校と香川県立聾学校に分離されました。昭和29年に聾学校が高松市太田上町(現在の聾学校の場所)に移転するまで、同じ敷地内に盲学校と聾学校が併置されていました。今年で開校112年、盲学校単独校になってから72年の歴史と伝統のある学校です。

 

本校は、香川県下で唯一の視覚に障害のある子どもや成人の方のための学校です。学部としては幼稚部、小学部、中学部、高等部があり、高等部には普通科と保健理療科、専攻科理療科があります。令和2年度の幼児児童生徒数は17名ですが、幼稚部の4歳児から理療を学ぶ成人まで、非常に幅広い年齢構成となっています。

 

視覚障害についてですが、一般的には盲学校の「盲」という言葉から、全く目が見えない生徒が学んでいるというイメージを持たれているかもしれません。視覚障害者には、矯正視力が0.3未満の弱視者と0.04未満の全盲者がおり、視覚障害者全体では弱視者が8割程度と言われています。本校は全盲者と弱視者の割合はほぼ半々となっています。弱視であっても見え方は様々で、学校では一人一人の見え方に応じて工夫を凝らした学習に取り組んでいます。また、全盲の生徒はもちろんですが、弱視の生徒も移動のための歩行訓練や日常生活の訓練にも取り組んでいます。「見えない、見えにくい」幼児児童生徒一人一人に配慮した、専門性の高い教育を実践することで、一人一人の願いがかなう学校をめざしています。

 

また、本校は職業教育にも力を入れており、あん摩マッサージ指圧師をめざす保健理療科、あん摩マッサージ指圧師に加え、(はり)()(きゅう)()めざす理療科があります。3年間勉強して卒業しますと、それぞれの国家試験受験資格が得られます。これまでも多くの卒業生が、あん摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師として自分の夢をかなえ、社会で大いに活躍しています。

 

加えて、視覚障害教育のセンター機能を果たすため「見えにくさと学びの相談センター」を設置して、香川県内の視覚障害のある幼児から成人まで、またその保護者の相談に対応するとともに、県内各学校園にも本校教員を派遣して学習支援等にも取り組んでいます。本校独自の研修会も開催しています。見え方に困難を抱えており、将来について迷っている方、悩んでいる方は、ぜひ本校にご連絡、そしてご来校ください。お知り合いで、そのような方がいらっしゃいましたら、どうぞ本校のことをご紹介いただければと思います。

 

「自分の願いがかなう」学校をめざして、教職員一同、保護者、地域、関係機関とのつながりを一層深めていきます。今後とも、本校の教育活動にご理解とご協力、ご支援を賜りますようお願いいたします。

 

令和2年4月吉日

香川県立盲学校

校長 田中 豊